八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場水力発電所建設に7億3700万円 県予算案に計上

 八ッ場ダムの建設目的に「発電」が加わったのは2008年(第3回ダム基本計画変更)のことです。八ッ場ダム直下の吾妻渓谷に群馬県営の発電所を設置して、ダムからの放流水を利用して発電を行うものです(従属発電)。
 八ッ場ダム予定地の吾妻川では古くから水力発電が行われて行きましたが、八ッ場ダムに水を貯めることにより、従来の水力発電量が大幅に減少することになります。八ッ場ダム事業によってつくられる発電所が生み出す発電量は、八ッ場ダムによって失われる発電量よりはるかに少なくなりますが、国交省と群馬県は、八ッ場ダムは「発電」の役に立つという誤解を与えるアピールを行っています。

 群馬県は新年度予算案に、吾妻渓谷における発電所建設の事業費を組み込んだとのことです。

◆2015年2月2日 上毛新聞 ネット記事は紙面記事の冒頭部分です。)
 http://www.jomo-news.co.jp/ns/4214228425978199/news.html
ー八ツ場水力発電所建設に7億3700万円 県予算案 ー

 八ツ場ダム(群馬県長野原町)の本体工事本格化を受け、県はダム直下に設置する水力発電所建設事業費として、約7億3700万円を新年度予算案に計上する方針を決めた。本年度中に実施設計を完了し、工事発注を経て、10月ごろに着工する予定。

 来年後半に発電所施設分の掘削工事を終え、2019年度中の発電所完成を目指す。16年度に電力小売りが完全自由化されることから、県企業局は「売電先は今後検討していく」と説明している。
 
 発電所は最大出力約1万1700キロワットで、年間発電量は一般家庭1万1千世帯の電力使用量に相当する4100万キロワット時。最大使用水量は1秒当たり13.6立方メートルで、エネルギー計算に使われる有効落差は105メートル。完成までの総事業費は65億円を見込んでいる。

—転載終わり—

 「八ッ場ダムと発電」については、こちらのページをご参照ください。
 https://yamba-net.org/wp/problem/mokuteki/hatsuden/

 写真下=吾妻渓谷の下流側にある東京電力の松谷発電所。
 八ッ場ダム予定地の吾妻川の水の大半は、吾妻川と平行して走っている山中の導水管を流れる。導水管の水は松谷発電所の背後の山の上にある鍛冶屋沢ダムに貯められた後、松谷発電所に流下する。
 写真左下に見えるのが吾妻川。

松谷発電所shuku