現状レポート

現地の状況

(更新日:2007年12月26日)

横壁諏訪神社土地売買問題(2007年12月26日)

横壁諏訪神社土地売買問題についての公開質問書とその回答について

八ッ場ダムを考える会

 この公開質問書は、横壁諏訪神社が所有する土地が氏子たちに諮ることなく、国交省八ッ場ダム工事事務所に売買された問題を取り上げたものです。この土地売買は八ッ場ダム工事の談合のフィクサーと噂される地元有力者が関与していることから、八ッ場ダム工事の闇の部分を明るみにすることを企図して「八ッ場ダムを考える会」は国交省八ッ場ダム工事事務所に公開質問書を提出しました。

 この問題の経緯については週刊金曜日2007年4月13日号と4月20日にジャーナリストの高杉晋吾さんが書かれた「告発レポート 群馬県・八ッ場ダムの疑惑上・下」をお読みください。

 この問題は2006年12月上旬に横壁小倉地区の住民(氏子)が神社の土地の竹林が切り倒されているのを発見したことから始まります。氏子総代が勝手に神社の土地を八ッ場ダム工事事務所に売買していたのです。怒った住民が工事事務所に抗議した結果、工事事務所は所有権を戻すことを約束し、2007年1月に所有権移転登記の抹消が行われました。

 これは地元有力者が関与した不可解な事件であることから、考える会は真相を究明するため、国交省に対してそれに関する資料の情報公開を求めました。しかし、所有権返還に関して開示されたのは、抹消の登記嘱託書のみであって、契約を解除する文書もそれを決定した所内の文書もなく、さらに八ッ場ダム工事事務所が住民に対して行った説明会の議事録はすべて黒塗りにされていました。すべて闇の中で処理されていました。隠さなければならない重大な事情があるからに他なりません。

 そこで、そのことを明らかにすべく、考える会は公開質問書を9月21日に提出しました。10月24日付けで八ッ場ダム工事事務所から回答が来ましたが、まともに答えていない回答でしたので、11月4日に再度、公開質問書を提出しました。それに対して、同事務所から12月5日付けで回答がありました。再質問書とそれへの回答を下記に掲載しておきます。

 最初の回答よりは詳しく答えているとはいえ、基本的な疑問は払拭されていません。宗教法人法に違反したことを行ったのではないかという質問に対しては言葉を濁し、契約解除の文書もその決定文書も存在しないことについてはその後(半年も経ってから)つくりましたという公文書偽造とも取れるような回答になっています。


2007年11月14日

国土交通省八ッ場ダム工事事務所
所長 澁谷 慎一 様

八ッ場ダムを考える会
代表代行 西薗 大実
連絡先       
事務局長 真下 淑恵

横壁諏訪神社土地売買問題に関する公開質問書(再)

 去る9月21日に横壁諏訪神社土地売買問題に関して、当会は八ッ場ダム工事事務所長に公開質問書を提出しました。これに対して10月24日付けで回答がありましたが、その回答には当方の質問(3)に対する答えがありませんでした。契約解除を決定した書類も契約解除の取り交わし文書も存在しないという社会常識では考えられない不可解さ、そして、今後の事務処理の不明瞭さについて質問したにもかかわらず、国交省はその質問を無視しました。答えることができない質問だからということでしょうか。しかし、公開で質問しているのですから、すべての質問に対して国交省は真摯に答える責任があります。

 そこで、このことに関して再度、質問しますので、今回は誠実にお答えくださるよう、お願いします。

 そのほかに、2点の質問を加えますので、11月20日(火)までにご回答を「八ッ場ダムを考える会」へお送りくださるよう、お願いします。

1 契約を解除した文書について
(1) 契約解除を決定した事務所の書類がなぜ存在しないのか。

 情報公開請求により、今回の契約解除を決定した八ッ場ダム工事事務所の起案書を求めたところ、不存在であるという不開示決定通知書が届いた。理由として「(昨年)12月22日の説明会の同意によって、所長が登記を抹消し、契約を解除した」と記されているが、この起案書が作成されなかったことの理由には全くなっていない。売買契約と所有権移転登記により、一度は国有財産になった土地を起案書もつくらずに処分することはありえないことであり、これは法規に抵触する行為であると考えられる。今回、国有財産になった土地を起案書もつくらずに処分したことに法規上問題がなかったどうかを明らかにされたい。

 また、国交省は、一度国有財産になった土地を起案書もつくらずに処分することを他の公共事業でも行っているのであろうか。もし、そのような例が他にあるならば、その公共事業名とその経過を明らかにされたい。

(2) 契約解除の取り交わし文書がなぜ存在しないのか。

 氏子たちの追及により、契約が解除され、所有権移転の登記抹消が行われたが、このことの一連の資料に関する情報公開請求で開示されたのは抹消の登記嘱託書のみで、契約解除の取り交わし文書も存在しないという不開示決定通知書が届いた。役所が相手方での契約においてそれを解除するのに口頭のみで処理することはありえないことである。契約書が存在している以上、それを解除する取り交わし文書がなければ、契約書が生き続けることになる。仮に神社側が国に支払い請求を行ったら、国はそれを断る文書を保有しないことになってしまうから、契約解除の取り交わし文書の不存在はありえないことである。今回、契約解除の取り交わし文書もつくらずに契約を解除したことに法的な有効性があるかどうか、もしあるならば、その法的な根拠を明らかにされたい。

(3) 契約解除の起案書も取り交わし文書も存在しないことによって国は何をしようとしているのか。

 上述のとおり、今回の土地売買について契約解除の起案書も取り交わし文書も存在しないことはありえないことである。考えられることは、契約解除は口頭だけのことにして、ほとぼりがさめれば、契約を再度結ぶことをせず、昨年11月15日の土地売買契約書を復活させるつもりではないかということである。このことについて次の2点の質問に答えられたい。

ⅰ 昨年11月15日の土地売買契約書は今も効力を有しているのか。
ⅱ 今回の土地を国が再度買収する際にどのような手続きをとるのか。

2 宗教法人法に違反したことについて

 10月24日の回答1(3)では「宗教法人法第23条に規定する公告手続きがとられていないことにつきましては、契約後にお聞きしたものです。」と書かれているが、この文面は、国交省が宗教法人法に違反した行為を行ってしまったことを認めるものだと理解される。そのように理解してよいのか。

                         

3 国交省の回答のみをホームページに載せる不公平さについて

 今回の回答は国土交通省八ッ場ダム工事事務所のホームページに掲載されているが、驚くことに掲載は回答のみであって、当会が出した公開質問書は掲載されていない。これは国交省の言い分のみを一方的に載せるものであって、きわめて不公平である。同じ国交省でもたとえば利根川上流河川事務所では下記の例のとおり、国交省の回答だけでなく、住民が出した質問書も掲載している。八ッ場ダム工事事務所のホームページのあり方を改善して、前回及び今回の公開質問書を掲載する考えがないかどうかを明らかにされたい。

国交省のホームページで市民の質問書も掲載している例

国交省利根川上流河川事務所のホームページ
http://www.tonejo.go.jp/news/new/new050627/index.htm
「谷中湖の干し上げによる魚類への影響について」についての回答
(回答の文章は略)

※この公開質問書が提出された2007年11月時点では、上記のページに質問書と回答が載っていましたが、現在はいずれも削除されています。

以上

2007年11月15日 上毛新聞

「神社移転問題で市民団体再質問 八ッ場ダムめぐり工事事務所に」

 長野原町の八ッ場ダム建設で、国土交通省がいったん締結した神社移転に関する土地売買契約を解除し、所有権の登記名義を国から神社に戻した問題で、市民団体八ッ場ダムを考える会は十四日、同省八ッ場ダム工事事務所に対して九月に送付した公開質問状への回答が不十分として、再質問状を送った。

 九月の質問状に同事務所が、契約解除を決定した際の書類が存在しないと回答したことなどへの再質問で、二十日までの回答を求めている。


平成19年12月5日

八ッ場ダムを考える会 代表代行殿

国土交通省 八ッ場ダム工事事務所
所 長  澁谷 慎一

「横壁諏訪神社土地売買問題に関する公開質問書(再)」への回答

 平成19年11月14日付で貴殿より提出のあった「横壁諏訪神社土地売買問題に関する公開質問書(再)」について、下記のとおり回答いたします。

1 契約の解除について
(1)契約解除理由及びその効果について

 本件については、平成18年12月22日の説明会に出席した事務所長の判断で、その場で横壁諏訪神社の責任役員及び氏子の方々に対し、契約解除する旨の意思表示をさせて頂き、そこで双方合意に至り、後日、代表役員宮司の同意を得た上で、事務所長が抹消登記の嘱託書によって所有権移転登記を抹消したものです。

 契約解除の法的効果については、双方合意に至った上述の説明会開催日から発生したと考えています。また、契約の相手方である代表役員宮司の同意を得て、神社側の契約書は当所が回収しております。したがって、契約書の効力が生き続けるということはありません。

 なお、10月24日付けの回答文書(2)のとおりですが、所有権移転登記が完了していても、土地を更地で国に引き渡していないことから、契約書で定める補償金支払請求の要件が満たされず、神社側から補償金支払請求書は提出されていないため、国は補償金を支払っていません。事務手続きの中で、一旦は不動産登記簿上で所有権移転登記がなされましたが、上述のとおり、契約を解除したことに伴い、所有権移転登記を抹消したものです。

(2)契約解除に関する文書について

 上述の説明会においては、その場で契約解除に関する事務所の意思決定を行ったため、緊急を要する案件でもあり、同時に文書を作成することは困難な状況でした。

 当該文書については、行政文書不開示決定通知の時点では不存在でしたが、その後、神社側とも改めて確認等を行い、事務処理を行っています。

(3)今後の手続きについて

 今後の横壁諏訪神社の移転計画については、10月24日付けの回答文書(3)のとおりですが、10月2日に、神社の責任役員及び氏子の方々が集まった横壁地区住民総会で、貴殿が問題としている契約解除した土地を含み、国と横壁諏訪神社移転に関する契約手続きを進めることで了解が得られ、代表役員宮司の同意も得ています。また、本了解は前回の説明会(平成18年12月22日)で説明不足を主張された一部の氏子の方も出席された上での総意であることを、念のため申し添えます。

2 宗教法人法の手続きについて

 宗教法人法第23条に規定する公告手続きは、横壁諏訪神社側が行うものであり、10月24日付けの回答は、土地の売買契約締結後に、神社側から公告手続きがとられていないことをお聞きした、という事実を述べたものです。

 一方で、当所としても、事業協力していただく神社側の方々に対して、土地売買契約するまでに必要な事務的な手順等に関して説明する等の配慮が足りなかった点もあったと考えております。

3 当所のホームページについて

 ホームページは、広く一般の方々に情報提供する場として設けています。

 今回貴会からの公開質問書に対しては、当方からの回答のみでは説明内容が十分でないと判断し、貴会からの質問要旨もホームページに掲載することとしました。

 なお、質問及び回答の両方について、そのままの形で公開する必要があるとのお考えであれば、貴会において行ってください。