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首都圏の水あまり

» 八ッ場ダムの暫定水利権問題についてはこちらをご覧下さい。

首都圏の水あまり

首都圏の水をめぐる状況は、この10年で一変しました。 かつては水道用水も工業用水も増え続け、右肩上がりの水需要予測が、ダム計画の裏づけとされました。 しかし、すでに工業用水は1970年代から横ばいないしは減り気味で、その後増え続けた水道用水も1990年代からは横ばいです(図1)。首都圏ではいまだに人口が増加していますが、一人当たりの給水量は減少を続けています。 これは節水機器の普及と漏水防止対策の推進によるものです。

日本の総人口は、国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2006年がピークとされています。 首都圏の人口のピークは、それより少し遅れて2015年頃(図2)。人口の減少に伴って水需要の減少傾向が明らかになった時期に、八ッ場ダムが完成することになります。

図1 利根川流域の都市用水の動向(6都県)


図2 首都圏(利根川流域6都県)の人口

東京都の場合

水あまりが最も顕著なのが東京都です。東京都の水道用水は1980年頃からすでに頭打ちでした。 ところが水源開発が次々と進められた結果、保有水源はどんどん増え続け、現在では一日701万m3に膨れ上がっています。

一方で、一日最大給水量は最近10年間に100万m3/日も減少して、約530万m3程度になっているため、現在は約170万m3という大量の水源があり余っています。

多摩地域では、もしも八ッ場ダムができると、現在水道水として飲んでいる美味しい地下水が、ダムの水に切り替わることに危機感をいだき、小金井市、東久留米市、小平市、東大和市、調布市の各議会において 八ッ場ダム事業見直しを求める意見書が可決されています。
調布市議会による意見書

各自治体の動きについて、以下のホームページに詳しい情報が掲載されています。

図3 東京都水道の給水量


図4 東京都水道の一人あたり給水量


図5 東京都水道の保有水源と一日最大配水量の推移

千葉県の場合

1990年頃まで上昇を続けてきた千葉県の都市用水も、10年ほど前から横ばいです。 現在は一日約50万m3の余剰水源を抱えているというのが実態です。

豊かな地下水を抱える県内の佐倉市、習志野市、船橋市、四街道市では、大事な自己水源である地下水を切り捨てて八ッ場ダムの水を押しつけられるのは納得がいかないと、2003年、各市議会で「八ッ場ダム事業の見直しを求める意見書」を採択しました。

図6 千葉県の上水道給水量


図7 千葉県の上水道・工業用水道の水需給


図8 千葉県水道の保有水源と給水量の推移

埼玉県の場合

人口の流入が続き、八ッ場ダムの水に頼らなければ水不足になると言われた埼玉県の水道用水も、10年前からはほぼ横ばい。 現在、給水量を大幅に上回る水源が確保されつつありますので、埼玉県も八ッ場ダム事業への参加の必要性がなくなっています。

図9 埼玉水道の給水量


図10 埼玉水道の保有水源と給水量の推移

群馬県の場合

関東平野北端の扇状地にあたる群馬県の平野部は、200~300mの砂礫層があり、水質のよい地下水に恵まれています。県庁所在地、前橋市をはじめ、県南部の主要都市は、豊かな伏流水の恩恵を受けて発展してきたと言っても過言ではありません。しかも県民人口は、2005年に減少に転じました。

利根川の水源県である群馬県が、八ッ場ダムによって水源開発をする必要性は、データ上でもみとめられません。

群馬県平野部の地下水の現況については、和田信彦技術士(群馬県玉村町)が高崎市・前橋市・玉村町等の地下水源データを総合的に解析した資料(2005年9月19日、地下水学習会in前橋にて講演)が下記HPよりダウンロードできますのでご参照ください。
「安全で安心な地下水こそ生活用水源に!-前橋・高崎の地下水-」資料PDF

参考:「水余り」値上げは難題―動き出す20万都市 新太田市の課題(朝日新聞群馬版より)

参考:群馬裁判の主な争点(利水)word

図11 群馬県の上水道・工業用水道の給水量


図12 群馬県水道の給水量の実績と予測

茨城県の場合

茨城県の2005年度の一日最大給水量は171万m3ですが、都市用水の保有水源はすでに一日251万m3もあり、余剰水源は80万m3に上ります。茨城県は八ッ場ダム以外にも、霞ヶ浦導水事業、思川開発、湯西川ダムの水源開発事業に参加しており、新たに62.16万m3を開発する予定ですが、県民人口は既に2000年にピークを打っています。

参考:茨城裁判の主な争点(利水)word

図13 茨城県の上水道+工業用水道の水需給


図14 利根水系水道の一日最大給水量の実績と予測(茨城県)

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