八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

写真展「八ッ場ダムは今 ~吾妻渓谷は消えるのか」-東京・東中野(2013年7月2~7日)

八ッ場あしたの会について

(更新日:2013年10月25日)

イベント報告

写真展「八ッ場ダムは今 ~吾妻渓谷は消えるのか」-東京・東中野(2013年7月2~7日)

201307-eventあしたの会ユースプロジェクト(若者グループ)の企画により、東京・東中野のカフェ・ポレポレ坐にて、写真展を開催しました。

八ッ場ダム事業はマスコミ等で取り上げられることが増え、多くの人がダムの名前を知るようになりました。けれども、八ッ場ダムの受益者とされている利根川下流首都圏の人々のほとんどはダム予定地を実際に見たことがありません。

この写真展では、八ッ場ダムについて考えるきっかけになればと、多くの撮影者の協力を得て、ダム予定地の自然や暮らしを切り取った写真を多数展示しました。

相沢曜一さんの写真

ダム予定地に惹かれて通い続けた相沢曜一さんが1993年~94年に撮った写真も展示しました。相沢さんの写真は、雑誌「暮らしの手帳」2005年夏号で紹介され、その後、八ッ場あしたの会発足のきっかけとなった2006年のコンサート、「加藤登紀子と仲間たちが唄う 八ッ場いのちの輝き」では舞台の映像で紹介しました。

相沢曜一さんの写真

相沢曜一さんの写真

八ッ場ダム予定地に生息するクマタカの写真も展示しました。イヌワシやクマタカは環境省がレッドデータブックに掲載している絶滅危惧種で、八ッ場ダム予定地はこれら猛禽類の頂点に立つ鳥たちの数少ない営巣地の一つです。

クマタカ

クマタカ

八ッ場ダム事業では、希少な動植物に配慮した工事を行うことになっていますが、道路建設、代替地整備などの関連事業が大規模に行われる中で、イヌワシが営巣を放棄し、クマタカの数も減っているのが実状です。

開催中、東京を中心に多くの方々が来場し、じっくりと写真を鑑賞していました。
最終日に作家の森まゆみさんをお招きして開いたトークイベントでは、会場が満席になる盛況ぶりでした。

東京に住まう人々と八ッ場ダムとの繋がりについて語る森まゆみさん

東京に住まう人々と八ッ場ダムとの繋がりについて語る
森まゆみさん

:: トークイベントの感想 Mさん(20代社会人)

 今回、写真展「吾妻渓谷は消えるのか?八ッ場ダムは今」のトークイベントに参加させていただき、貴重な機会となりました。昨今のマスメディアでは、ほとんど取上げられることがなくなった八ッ場ダムの建設工事が、現在も進行する問題なのだと気づかされ、改めて「開発とは何か?」を再考するきっかけになりました。ダムのような公共工事は、国や地方自治体が公共の利益のために行なう事業であるにも関わらず、住民の生活と大切な地域資源である吾妻渓谷や川原湯温泉等が建設工事の犠牲となって失われつつあることは非常に悲しく思います。
 実際に私は八ッ場の地を未だ訪れたことがなく、展示されていた写真等を拝見したのみなので、今回の参加を機に、まず何が起きているのかを知るため、現地を直接訪れてみたいです。