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2013年度(八ッ場ダム3事業)

現状レポート

(更新日:2013年8月2日)

八ッ場ダム事業の予算

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2010年度の都県別負担額の試算

2013年度(八ッ場ダム3事業)

1 2013(平成25)年度予算と2013年度までの支出済み予定額および全事業費

(1)2013年度の八ッ場ダム関係予算

2013年度予算_1

(2)2013年度までの八ッ場ダム関係支出済み予定額と全事業費

2013年度予算_2

〔注〕基金事業の全事業費249億円は1992(平成4)年度の当初案です。2008(平成20)年度に178億円の見直し案を群馬県が示しましたが、地元は同意していません。
 関連記事 → 「八ッ場ダム生活再建事業 178億円に大幅圧縮」上毛新聞2009年1月17日

2 三つの事業の事業費内訳

上記三つの事業の2013(平成25)年度の予算及び支出済み額の内訳を表1、2、3に示します。

表1 八ッ場ダム建設事業

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  • 八ッ場ダム建設事業の事業費増額は必至ですが、2013(平成25)年度までの支出済み予定額が3,827億円で、現在の基本計画の事業費4,600億円に対してまだ余裕がありますので、国交省は事業費増額の計画変更を先延ばしする可能性があります。
  • 表1において〇が本体工事に直接関係する工事です。転流工、本体掘削、グラウト、堤体工、閉塞工、付属工事、放流設備、原石山表土処理、本体法面保護で、本体工事費の合計は413億円になります。現計画の全事業費に対する割合は約9%です。国交省によれば、本体工事費の割合がこれほど低いダムは他にはないとのことです。ダムを造るための事業であるのに、ダム以外のことに事業費の9割以上も使うのですから、八ッ場ダムは奇妙なダムです。
表2 水源地域整備事業

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  • 道路、下水道、簡易水道、学校等の施設整備を行う事業です。
  • ダム建設事業で進める国道、県道は補償工事であるため、現施設を超えたものをつくることができないので、グレイドアップする部分は水源地域整備事業で対応することになっています。
  • 全事業費に対する2013(平成25)年度までの支出済み予定額の割合は72%であって、まだ多くの工事が残されています。
表3 利根川・荒川水源地域対策基金事業
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  • ハード面とソフト面で地域振興、ダム予定地域の生活再建を進めるための事業です。ダム建設事業や水源地域整備事業では対応できない部分をカバーします。
  • 2013(平成25)年度までの支出済み予定額80億円のうち、半分近くを占めているのが、現地生活再建支援事業と水源地域財政基盤安定事業で、いずれも移転者に対する協力感謝金です。前者は群馬県が、後者は長野原町が窓口になって支払ってきています。条件によって異なりますが、一世帯当たりおよそ800~1150万円が移転者に支払われています。
  • 2013(平成25)年度までの支出済み予定額はまだ80億円ですので、基金事業をもっと活用した地域振興、生活再建を進める余地があります。

八ッ場ダム建設事業(平成25年度