2006年9月22日
国土交通省河川局長 門松 武 様
関東地方整備局長 中島 威夫 様
利根川流域市民委員会 共同代表
佐野郷美(利根川江戸川流域ネットワーク)
嶋津暉之(水源開発問題全国連絡会)
吉田正人(江戸川大学教授)
私たち利根川流域市民委員会は、利根川水系河川整備計画に対して、流域住民の意見を反映させるために集まった、流域団体や市民のネットワークです。
平成9年、河川法が改正され、これまでの治水、利水に加え、水質・景観・生態系等を含む河川環境の整備と保全が目的に加わりました。また、河川整備計画策定にあたって、地域住民の意見反映が義務づけられました。平成12年、近畿地方整備局は「淀川水系流域委員会」を設置して、河川整備の課題を整理し、治水・利水・環境・利用などの各分野に対する提言をとりまとめています。この流域委員会の取り組みは、新河川法の住民意見の反映方法のモデルとして高く評価されます。一方、四国地方整備局は、学識者会議と同時に、上流・中流・下流ごとに地域住民、市町村長を対象に「流域意見を聴く会」を開催し、住民意見を反映させるという吉野川方式を進めていますが、これは国が住民の意見を一方的に聴くだけで、新河川法の求める地域住民の意見反映とは程遠いものです。
利根川水系河川整備計画の策定にあたっては、ぜひ淀川水系流域委員会をモデルに、地域住民参加の流域委員会による検討を実現していただきたく、下記の通り要望いたします。
1.利根川水系河川整備計画の策定にあたっては、学識経験者だけでなく地域住民を含んだ利根川水系流域委員会を設置して、利根川の河川整備のあり方を検討して下さい。
2.利根川水系流域委員会には、流域団体からの委員、公募の市民委員を含めることとし、流域団体からの委員選出方法については本市民委員会との協議の場を設けて下さい。
3.利根川水系流域委員会は、諮問された河川整備計画原案を審議するだけではなく、流域毎に治水、利水、環境・利用などの課題(別紙参照)を整理し、提言し、計画の実施をフォローアップするなど、自主性をもった運営を確保して下さい。
4.利根川水系流域委員会は公開で開催し、傍聴者にも発言を認めるともに、流域委員会として地域住民の意見を広く聴く場を設けてください。