国交省関東地方整備局は2013年11月20日、「八ッ場ダムの建設に関する基本計画」の変更手続が完了したことを発表しました。これにより、八ッ場ダムの工期は2015年度から2019年度に延長されました。
八ッ場ダムの基本計画は1986年の中曽根政権下で告示されました。この最初の基本計画における八ッ場ダム事業の工期は、1967年度~2000年度でした。
しかしその後、2001年に工期が2010年度に変更され(ダム基本計画第一回変更)、2004年に事業費が2110億円から4600億円に増額されました(第二回変更)。その結果、八ッ場ダは全国一高額なダム事業であることが明らかとなり、八ッ場ダムの名が次第に知られるようになっていきました。
さらに、2008年には工期が2015年度に延長され(第三回変更)、2013年の第四回変更へと続きます。1967年度に始まった八ッ場ダム事業は、完成に少なくとも52年を要することとなり、八ッ場ダム事業は工期においても不名誉な全国トップです。ダム基本計画は2016年にも変更され、この時は事業費が5320億円に増額されました。
2015年度から2019年度への工期延長について、国交省関東地方整備局は、民主党政権による工事凍結が原因と説明していますが、民主党政権下でも関連工事は続行されており、ダム建設地を走っていたJR吾妻線の付替え工事が完了したのは2014年9月でした。JRを付替えなければダム本体工事を始められなかったのですから、この説明は正確ではありません。(八ッ場ダム本体工事の着工は2015年1月)
工期延長の真の理由は、地形地質に無理のあるダム計画の強行と膨大な関連事業にあります。2019年度の完成も確かなものではありません。