★水没予定地に暮らす住民から土地を強制的に収用することが可能となる事業認定についての意見を国交省と群馬県が受け付けています。4月27日消印有効です。
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4月10日、国交省関東地方整備局が八ッ場ダムの事業用地の強制収用を視野に入れた事業認定の申請を行いました。事業認定申請とは何を意味するのでしょうか? 以下に、土地収用の手順と、八ッ場ダムの利害関係人(すべての国民)がこの手続きの中でできることを説明します。
国交省は八ッ場ダム予定地の買収を進めてきましたが、まだ約7%が未取得となっています。移転に同意していない住民がいるほか、相続を繰り返してきたため、所有権が複雑になり、所有者との連絡が取れない土地(特に共有地の場合)があることなどによるものです。国交省は土地収用法により、未取得用地を強制収用するための手続きを進めるとして、去る1月24日に、そのための事業認定申請の説明会を長野原町の体育館「若人の館」で開きました。
(写真右=1月24日に長野原町の体育館で開かれた事業説明会。600席が用意されたが、形式的な説明会であることが事前にわかっていたため、参加地権者は僅か20名ほどでした。)
事業認定とは、「高い公共性を有する」ことを認める手続きのことで、八ッ場ダムの場合はダム事業者である関東地方整備局が事業認定庁としての国交省本省に申請します。国交省の内部で申請と認定を行うのですから、おかしな仕組みです。
強制収用までの手続きは次のようになっています。
①事業認定の申請(関東地方整備局) ②申請書の公告・縦覧(長野原町役場で2週間)③公聴会の開催(国交省本省が開催) ④国交省社会資本整備審議会・公共用地分科会で審議 ⑤事業認定の告示(国交省本省)
事業認定が告示されたら、関東地方整備局が群馬県の収用委員会に裁決を申請し、収用委員会が審理した上で、収用裁決・明渡し裁決を行います。その後、関東地方整備局が所有者に補償金を支払って権利を取得することになっています。
これらの手続きに要する期間はケースバイケースですが、事業認定の申請から告示まで1年以上、告示から収用委員会の裁決まで数年かかる場合もあります。
強制収用に至るまでの手続きをストップさせることができればよいのですが、現制度では困難です。ただ、遅らせることはできます。
上記③の公聴会は開催請求があった場合に開かれ、④の審議会の審議は認定反対の意見書が提出された場合に行われます。そして、認定反対の様々な意見書が沢山出るほど、その整理に日数を要するため、認定までの作業が遅れることになります。公聴会の開催請求や意見書の提出は利害関係人となっていますが、利害関係人は広く解釈されていますので、実際には制限がなく、どなたでも行うことができます。ただ、二つとも②の公告・縦覧の期間(2週間)内に限られます。
八ッ場ダムの問題点を指摘し、反対の声を届け、公の場で意見を述べる機会になりますので、是非、多くの方が意見書を提出するとともに、公聴会の開催を請求されることを期待します。
なお、事業認定申請書の公告・縦覧が始まれば、直ちに本会のホームページでお知らせいたします。
★関連記事は以下のページに転載しています。
https://yamba-net.org/wp/?p=10913
(写真下=代替地の川原湯温泉・薬師堂の前に立てられた県議選の掲示板。明日は県議選の投票日ですが、吾妻選挙区では定数2に対し現職二人以外に立候補の動きがなく、早々に無投票当選が決まりました。)