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長野原町が新庁舎建設を決定

 八ッ場ダム予定地を抱える長野原町が新しい町役場(新庁舎)を建設することが決定したとの新聞報道がありました。

 長野原町では、八ッ場ダム三事業の一つ、ダム水源地域対策基金事業によって様々な施設が建設されてきました。基金事業はダム事業を抱える地域の損害を埋め合わせるために、ダムの恩恵を受けるとされる下流都県(八ッ場ダム事業では利水参画者の東京都、埼玉県、千葉県、茨城県、群馬県)が負担する「利根川・荒川水源地域対策基金」によって実施されます。

キャプチャ 長野原町は基金事業による新庁舎の建設を要望してきましたが、2013年、基金を負担する下流都県の理解が得られず、新庁舎に隣接して建設する住民総合センターのみ都県が負担することが明らかになりました(2013年5月18日、読売新聞群馬版)。
 今朝の群馬建設新聞の記事によれば、「庁舎と住民総合センターは建築基準法上1棟建てで計画」されるとのことです。
(右図=長野原町ホームページ 新庁舎の技術提案書より 左側の長方形の建物が新庁舎)

 長野原町の公式ホームページには、新庁舎に関する資料が掲載されています。

●長野原町役場新庁舎建設基本計画(概要版)
http://www1.town.naganohara.gunma.jp/www/contents/1436339871104/files/gaiyou.pdf

●  人事財政係 >役場新庁舎の整備を行います
 http://www1.town.naganohara.gunma.jp/www/contents/1436339871104/index.html

● 技術提案書
 http://www1.town.naganohara.gunma.jp/www/contents/1436339871104/files/teiansyo.pdf

 新しい町役場の建設予定地は、吾妻川を挟んでJR長野原草津口駅の対岸で、八ッ場ダムができるとダム湖の上流端となる場所です。当初ダム事業と結びつける狙いがあったために、この場所が選ばれたのでしょう。

 ダムは完成後歳月がたつと、土砂が溜まる堆砂の問題を抱えるようになります。堆砂はダム湖の上流端から進みます。
 新庁舎の建設予定地より下流側は、ダム事業により人口が激減しており、長野原町民の居住分布からすれば、人口の多い吾妻川の上流の方に役場があった方が便利という声も聞きます。

 現在の町役場の写真はこのページの末尾をご覧ください。

◆2016年1月9日 群馬建設新聞
https://www.nikoukei.co.jp/kijidetail/00302416
ー群馬県長野原町が新庁舎建設を決定

 長野原町は、新庁舎の完成を2018年度に予定している。昨年7月、基本設計の公募型プロポーザルが公告され、佐藤総合計画(東京都墨田区)に業務委託された。
 町が作成した「役場新庁舎建設基本計画」には、ホールや公民館の機能を持つ住民総合センターなどの設置も盛り込まれており、同センターについても基本設計が進められている。
 基本設計の完了は、ことし3月末の予定。同センターは新庁舎の隣に建て、庁舎とつなげる計画だ。

 建設予定地は、国道145号の久々戸交差点近く。JR吾妻線の長野原草津口駅から徒歩圏内と、交通の利便性が非常に良い場所だ。
 用地は、国土交通省八ッ場ダム対策工事事務所が新年度に造成工事を行い、同年度中に町が国から用地を購入する予定になっている。

 役場新庁舎建設基本計画によると、新庁舎は延べ床面積約2200㎡、住民総合センターは同約1180㎡で、消防の詰所や倉庫、車庫。約220台分の駐車場も整備する予定となっている。

 町は庁舎のみの概算事業費を11億4900万円と算出。住民総合センターについては明らかにしていない。
 今後のスケジュールは、新年度早々に庁舎や住民総合センターなど全体の実施設計が委託される模様。
 基本計画では、17年度から18年度に建設工事が計画されているが、発注時期や発注方式などについては未定。

 庁舎と住民総合センターは建築基準法上1棟建てで計画。2つの長方形を並べたような配置となる見込みだ。
 両施設をつなぐエントランスホール部分に、主となる出入り口を設置。建物の構造はS造の平屋建てになる可能性が大きいという。
 設計コンセプトは「日当たりに、みんなが集まる新しい時代のシンボル」で、採光を取り入れやすく木の雰囲気を生かしたデザインも検討しているようだ。

 新庁舎建設後は、既存の本庁舎は解体し、第二庁舎は解体するか不明。現在いくつかの部署が入っている山村開発センターは、有効活用を検討していく。

—転載終わり—
 
 現在の長野原町役場。
 長野原町誌によれば、この町役場は昭和4年建設。敷地は隣接する雲林寺の借地で四百坪。庁舎新築の経費として、昭和3年度の予算に1万3,050円を計上(雑費含む)。当初予算は1万2,200円であったが、その後850円の寄付金申し入れがあり、追加修正。寄付者に(株)須川電力、(株)吾妻川電力、(株)飛島組、(株)草津電気鉄道)のほか、7名の東京在住者の名があるのは浅間山麓の別荘所有者か。庁舎新築工事請負人に「長野原町大字林 篠原理一郎」と地元の大工さんの名がある。
s-長野原町役場