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常総市水害・被害者の会 東京で初の「政府交渉」

 鬼怒川水害で被災した常総市民らでつくる「常総市水害・被害者の会」はさる1月29日、内閣府や国土交通省など6省庁の担当者との「政府交渉」に臨みました。
 被災者らは「国の責任で起こった水害で、非常に大きな損害を被った。国家賠償法に基づく賠償を」と訴えていますが、国は新たな「治水計画」には熱心であるものの、責任回避の姿勢は相変わらずです。

 関連記事を転載します。

◆2016年1月30日 東京新聞茨城版
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201601/CK2016013002000154.html
ー「国の責任で賠償を」 常総市水害・被害者の会 東京で初の「政府交渉」ー
(東京新聞茨城版2016年1月30日)

 昨年9月の関東・東北水害で被災した常総市民らでつくる「常総市水害・被害者の会」は29日、内閣府や国土交通省など6省庁の担当者に、市民の要望を伝え、疑問をぶつける初めての「政府交渉」に臨んだ。

会員らは「国の堤防整備の遅れによる被災」と指摘し、実態に見合った国の支援を求めた。 (増井のぞみ)

 東京都千代田区の衆院第二議員会館で行われた交渉には、会員ら約五十人が参加した。

共同代表世話人の逆井(さかさい)正夫さん(67)は、被災者七十五人が会に提示した家屋などの損害額が、平均千二百八十九万円だったことを明かし「国の責任で起こった水害で、非常に大きな損害を被った。国家賠償法に基づく賠償を」と訴えた。

 水害による市内の住宅の半壊は三千四百七十五棟に上ったが、災害救助法に基づく国の住宅応急修理制度では、半壊世帯への応急修理費支給には所得制限が設けられている。

県と市は今回、特例で所得制限を撤廃。自宅が半壊と判定された嘱託社員、斉藤弘行さん(63)は、所得制限がなくなったことで自宅が修繕できたといい「床上七十センチの浸水でも、柱以外は全部だめになった」と説明し、制度の改善を求めた。

 これに対し、内閣府の防災担当者は「個人の財産形成に資するため柔軟な対応は困難」と難色を示した。

 国交省は今後、約六百億円をかけ、五年余りで県内の治水対策「鬼怒川緊急対策プロジェクト」を実施する計画。

会の共同代表世話人の染谷修司さん(71)は「今まで、なぜ対策をしなかったのか」と追及し、「これからも責任を問い続けていく」と語気を強めた。