ムダなダムをストップさせる栃木の会と思川開発事業を考える流域の会では、2013年7月21日執行参議院議員選挙栃木選挙区立候補予定者にダム建設事業に関するアンケートを実施しました。その結果をお知らせいただきましたので、お伝えします。(敬称略)
2013年6月25日発送
29日〆切
回答者:谷博之(民主党)、小池一徳(日本共産党)、杉浦満春(幸福実現党)[到着順] 無回答:高橋克法(自由民主党)、沖智美(みんなの党)
[無回答の理由]
高橋克法(自由民主党):アンケートが多数届いており、すべてのアンケートに対応していると本来やるべき業務ができなくなるので、新聞社からのアンケートだけに回答している。
沖智美(みんなの党):(担当者不在につき不明)
思川開発事業(南摩ダム)及び八ツ場ダムを建設すべきかを尋ねたところ、谷博之(民主党)及び小池一徳(日本共産党)が両ダムを「建設すべきでない」と答え、杉浦満春(幸福実現党)が両ダムを「建設すべき」と答えました。 理由と自由意見と設問は、以下のとおりです。
●谷博之(民主党)
★思川開発事業(南摩ダム)を建設すべきでないと考える理由
3.ア、イ、ウ、エ、オ、カ、キ、ク、ケ、コ、サ
★八ツ場ダムを建設すべきでないと考える理由
6.ア、イ、ウ、エ、オ、カ、キ、ク、ケ
★自由意見 皆様のたゆまぬご活動に心より敬意を表します。私もがんばります。
●小池一徳(日本共産党)
★思川開発事業(南摩ダム)を建設すべきでないと考える理由
3.ア、ウ、エ、カ、キ、ク、ケ、コ、サ、シ その他(利根川水系全体の水需要計画の検証・検討が行われていない。)
★八ツ場ダムを建設すべきでないと考える理由
6.エ、オ、カ、キ、ク、ケ、コ その他(地盤強化などの安全対策経費を過小に見積もっており、今後事業費が増加することが想定される。)
★自由意見 ダム計画がつくられてから長い年月が経過し、首都圏の水需要は減少し、治水効果の薄いダムより中・下流域の水害対策が切迫した課題になっている。 ダム予定地周辺の自然環境、生活環境を破壊し、莫大な事業費を投じてダムを建設する必要はなく、ムダなダム計画の中止を求めていく。
●杉浦満春(幸福実現党)
★思川開発事業(南摩ダム)を建設すべきと考える理由
2.イ、オ、ク
★八ツ場ダムを建設すべきと考える理由
5.コ その他(利水効果・治水効果を認める司法判断もあり、ダムの総合的評価でも「洪水調整、利水に現行案がふさわしい」と判断している。)
★自由意見 原発の再稼働がストップしている現状では、火力発電にだけ頼るわけにいかず、水力発電にも活躍してもらい、新エネルギーの実用化を急ぐべき。
【設問】
1. 南摩ダムを建設すべきだと考えますか? ア 建設すべき イ 建設すべきでない
2. 前問でアと答えた方にうかがいます。建設すべきと考える理由は何ですか?(複数回答可)
ア 今後水需要が増える。
イ 関東平野北部の地盤沈下対策として地下水を水源とする上水道の代替水源が必要である。
ウ 上水道の地下水依存率が高い地域では水源井戸の汚染が危惧されるので地下水依存率を下げる必要がある。
エ 異常気象時の地下水位低下に備えて地下水から表流水への水源転換が必要である。
オ 思川及び利根川の洪水調節に効果がある。
カ 地域経済の活性化のために必要である。
キ 移転した人は建設を望んでいるはずであり、その心情を尊重すべきである。
ク 事業はここまで進んだのだから、完成させないともったいない。
ケ その他 ( )
3. 問い1.でイと答えた方にうかがいます。建設すべきでないと考える理由は何ですか?(複数回答可)
ア 今後、人口減少、節水型のトイレや洗濯機の普及などにより水需要が減少する。
イ 栃木県のような地盤沈下の主な原因が農業用水である地域では、上水道の地下水源のうちの、ごくわずかな水量を転換しても地盤沈下防止の効果はない。
ウ 地盤沈下は既に1990年代後半から沈静化しており、今後の人口減少及び経済成長率の安定化により、全用途の水需要が減少することが予想されるので、沈静化の傾向は今後も続くと想定すべきである。
エ 栃木県は上水道の地下水依存率が高いが、2年前の原発事故から続く放射能汚染を考慮すれば、ダム水の利用により地下水依存率を下げることはかえって水道水の汚染のリスクを高める。
オ 表流水は渇水に弱く、ダム建設は渇水対策にならない。
カ 栃木県では他県と違い、水道用水供給事業計画が存在しないので、使う当てのない水利権を抱えるだけになる。
キ 南摩ダムは水が貯まりにくく計画どおりの利水機能を果たさない。
ク 南摩ダムの集水面積は小さいので洪水調節効果はほとんどない。
ケ 湛水予定地の生態系を破壊する。
コ 導水による鹿沼市内を流れる黒川、大芦川の流量減少と導水管による地下水脈の切断により、水道用水、農業用水、家庭用井戸に障害が発生するおそれがある。
サ 堤防強化と震災復興、人口減少、インフラ老朽化への対応に回す予算が足りなくなる。 シ その他 ( )
4. 八ッ場ダムを建設すべきだと考えますか?
ア 建設すべき
イ 建設すべきでない
5. 前問でアと答えた方にうかがいます。建設すべきと考える理由は何ですか?(複数回答可)
ア 今後水需要が増える。
イ 暫定水利権を安定的な水源にする必要がある。
ウ 関東平野北部の地盤沈下対策として地下水を水源とする上水道の代替水源が必要である。
エ 地下水依存率の高い地域では、表流水の割合を多くして渇水や地下水汚染のリスクを分散する必要がある。
オ 利根川流域の治水に効果がある。
カ 栃木県では、利根川から足利市、佐野市及び栃木市(藤岡地区)への浸水被害を軽減する効果がある。
キ 地域経済の活性化のために必要である。
ク 移転した住民は建設を望んでいるはずであり、その心情を尊重すべきである。
ケ 事業費の大半を費やしたのだから、完成させないともったいない。
コ その他 ( )
6. 問い4.でイと答えた方にうかがいます。建設すべきでないと考える理由は何ですか?(複数回答可)
ア 今後、人口減少、節水型のトイレや洗濯機の普及などにより水需要が減少する。
イ 地盤沈下は既に1990年代後半から沈静化しており、今後の人口減少及び経済成長率の安定化により、全用途の水需要が減少することが予想されるので、沈静化の傾向は今後も続くと想定すべきである。
ウ 暫定水利権による取水で問題は起きていないという長年の実績があり、暫定水利権はダムを建設する口実に使われているので、不当な水利権行政を改めるべきである。
エ 基本高水流量が過大に設定されている。
オ カスリーン台風が再来した場合の効果はなく、伊勢崎市八斗島地点の水位を最大でも13cm下げるだけで、下流での効果は更に減衰するので治水効果はほとんどない。
カ 利根川の氾濫水が栃木県を浸水させた歴史はなく、今後も想定できないので、栃木県が治水負担金を支払う理由はない。
キ 渓谷の景観や生物多様性、遺跡が失われる。
ク 堤防強化と震災復興、人口減少、インフラ老朽化への対応に回す予算が足りなくなる。
ケ ダムサイトの地質は脆弱で、ダム湖周辺は地すべりのおそれがあり、危険である。
コ その他 ( )
☆ダム事業についてのご意見があれば、お書きください。