昨日、国交省関東地方整備局は、八ッ場ダム本体工事が行われている国の名勝・吾妻渓谷の脇で八ッ場ダムの定礎式を行いました。(右下:式典会場位置図、国交省HPより)
国交省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所HPより
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000665247.pdf
記者発表資料ー 「八ッ場ダム定礎式」を開催します
定礎式は本体工事の本格化に際して、安全を祈願して執り行われる儀式です。八ッ場ダムの定礎式には、国交省、群馬県、地元や工事の関係者のほか、八ッ場ダム事業と関係の深い自民党の国会議員6名(群馬選出の山本一太、小渕優子、佐田玄一郎、尾身朝子、国交省OBの佐藤信秋、足立敏之)が参列して行われました。
報道によれば、定礎式において大沢・群馬県知事は「地元住民の生活再建に全力で取り組む」と挨拶したようです。群馬県知事は地元がダムを受け入れて以降、ダム事業で破壊された地元の「生活再建に取り組む」という言葉を繰り返し述べています。しかし、ダム事業が進むにつれ、地元は疲弊してきています。ダムは完成後も地域に大きな重荷を負わせます。地盤が軟弱で、ダム湖周辺を多くの住宅が取り囲むことになる八ッ場ダムは、地すべりなど災害誘発の危険性を抱え続けなければなりません。
山本一太参院議員は定礎式において「ダムの完成(2年後)まで、2度と政府の方針がぶれることのないよう、県選出の国会議員の1人として、自民党県連会長として全力を尽くすことを固く誓います!」と挨拶したとブログに書いています。
最も地元に近い議員として、親子二代にわたり八ッ場ダムを推進してきた山本氏は、政治家の責任をどのように考えているのでしょうか。ちなみに、ダムの完成予定は3年後(2020年3月末)です。
山本一太参院議員 公式ブログ 「気分はいつも直滑降」より
60年に渡る群馬県最大の課題、「八ッ場ダム」の定礎式典に出席〜ダム完成まであと2年!
http://ameblo.jp/ichita-y/entry-12253334746.html
◆2017年3月5日 朝日新聞群馬版
http://digital.asahi.com/articles/ASK344JT5K34UHNB003.html
群馬)八ツ場ダム定礎式 知事「生活再建オール群馬で」
(朝日新聞群馬版2017年3月5日)
2019年度の完成をめざして国が建設中の八ツ場ダムの定礎式が4日、長野原町であった。大沢正明知事ら約250人が出席し、大詰めを迎える工事の安全を祈願した。国土交通省によると、作業日程は「ほぼ予定通り」で、吾妻川をせき止める堤体が徐々に姿を現しつつある。
式典は工事現場を望む高台であり、大沢知事は「地元住民が安心して暮らせるよう、生活再建と観光誘客にオール群馬で取り組む」とあいさつ。長野原町の萩原睦男町長は「水没地区住民の苦渋の決断を忘れず、国・県・町が一致団結して安心・安全の町づくりを進めたい」と語った。
流域6都県の関係者が見守るなか、堤体に重さ150キロの黒御影石の礎石が据えられた。
ダム計画浮上のきっかけとなったカスリーン台風被害から、今年でちょうど70年。国は昨年までに水没予定地区にある全世帯と移転契約を結び、工事も山場を迎えている。昨年6月からはコンクリートを型枠に流し込んで堤体(完成時の高さ116メートル、最上部の幅291メートル)などを造る「打設」と呼ばれる工程に入った。
国交省八ツ場ダム工事事務所によると、堤体は基底部から10メートル余りの高さまで建設が進み、計画では来年5月には巨大なダムが姿を現す。その後、水門設備の据え付け、試験湛水(たんすい)などを経て、19年度中に完成する予定だ。
2年前の起工式では建設に反対する市民団体が周辺で抗議の声をあげたが、今回は目立った動きはなかった。
計画の見直しを求めてきた水問題研究家の嶋津暉之さんは「八ツ場ダムは利水・治水に不要であるばかりか、地滑り被害などの不安も抱えている。事業費もさらに増額されるだろう。こうした問題点を粘り強く訴えていきたい」と話している。(土屋弘)
◇
〈八ツ場ダム〉 利根川の堤防が決壊して約1100人が死亡した1947年のカスリーン台風を受け、52年に計画が浮上した。総貯水容量は東京ドーム87杯分に相当する約1億750万立方メートル。国の基本計画は5回変更され、完成予定は2000年度から19年度にずれ込んだ。総事業費も、生活再建費用や人件費・資材費の増額などで当初の2110億円から日本のダムでは最大の5320億円に膨らんだ。水没予定地区などの移転対象470世帯のうち、昨年12月までに468世帯が転居している。
◆2017年3月5日 毎日新聞群馬版
http://mainichi.jp/articles/20170305/ddl/k10/010/198000c
ー八ッ場ダム定礎式、250人参加 工事の安全を願う 長野原ー
国土交通省関東地方整備局は4日、建設中の八ッ場ダムの2019年度の完成を目指し、長野原町の現地で礎石を据える定礎式を行った。ダムの水を使う1都5県の関係者約250人が参加し、工事の安全を願った。
式典では、黒御影(みかげ)石を使った礎石(横60センチ、高さ35センチ、重さ約150キロ)が建設業関係者の木遣(きや)り唄に合わせて運び込まれた。出席者はダムにコンクリートを流し込むモニター中継を見ながら、「祝 定礎」のくす玉を割った。
ダム工事は堤体(高さ116メートル)の建設作業が行われており、約1割の高さまで進んだ。総事業費は昨年約720億円増額され、約5320億円。大沢正明知事は「地元や関係者にこれ以上の負担がかからないよう、一日も早いダム建設と住民の生活再建に取り組みたい」と話した。【杉直樹】
◆2017年3月4日 NHK
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20170304/4423061.html
ー工事本格化の八ッ場ダム定礎式ー
群馬県の八ッ場ダムで、4日、ダムの本体工事が本格的に始まることを記念した式典が開かれました。
群馬県長野原町の八ッ場ダムは、おととし1月からダムの本体工事が始まっていて、総事業費5320億円をかけて、平成31年度の完成を目指しています。
4日は本体工事が、本格化することを記念して定礎式が開かれ、国や、ダムの水を利用する群馬県など関東の1都5県の関係者などが出席しました。
式典では、出席者が礎石をモルタルで固定したり、モニターで、ダムの堤にコンクリートを流し込む作業を見守ったりして、工事やダムの安全を願っていました。
地元の群馬県では、工事で移転した住民の生活再建のため、今後、生活道路の整備などを本格化する方針です。
群馬県の大沢正明知事は「ダム工事の一時中断で不安の中で過ごした時期もあった。今後、住民の生活再建にしっかり取り組みたい」と話しています。
◆2017年3月5日 上毛新聞
ー八ッ場ダム工事 250人が安全祈願 長野原で定礎式ー
八ッ場ダム(長野原町)の工事が本格的に始まるのを前に、国土交通省八ッ場ダム工事事務所は4日、同町のダム建設現場で定礎式を開いた。出席した大沢正明知事や萩原睦男長野原町長、中沢恒喜東吾妻町長ら関係者約250人が工事の安全を祈った。
式は、工事現場内の特設会場で開いた。県鳶工業連合会吾妻支部員らが搬入した重さ約150キロの礎石を出席者がモルタルで固定した。大沢知事は「地元住民が豊かで安心した生活を送れるよう、オール群馬で取り組む」とあいさつした。
同事務所によると、現在の堤体麹の進捗率は1割程度。今春から高速のコンクリート打設が可能になる「巡航RCD工法」に切り替えて工事を進める。2019年度中の完成を見込んでいる。
◆2017年3月5日 読売新聞群馬版
ー八ッ場ダム工事 安全祈る 知事、国会議員ら定礎式ー
長野原町で建設が進められている八ッ場ダムの定礎式が4日、建設現場で行われ、大沢知事や本県選出の国会議員ら約250名が工事の安全を祈願した。
大沢知事は式典で「八ッ場ダムは吾妻地域にとって未来創世のかぎとなる新たな地域資源。観光誘客に向けてオール群馬で取り組みたい」とあいさつした。長野原町の萩原睦男町長は「水没地域の先人たちが時にはもがき苦しみながら、現在に至っていることを忘れてはならない」と述べた。その後、大沢知事らが式典会場で、重さ約150キロの黒御影石(縦30センチ、横60センチ、高さ35センチ)を土台に固定するためのモルタルをスコップで入れるための儀式などを行った。
ダム計画は利根川下流域の治水対策として始まった。2015年1月に本体工事が始まり、現在は、コンクリートを流し固める「打設」が高さ116メートルの堤体の約1割の高さまで完了しているという。19年度の完成を目指している。