2008年5月26日 上毛新聞より転載
「TOKYO通信 タブーなき議論を 八ッ場ダムを考える議連」
「事業はずっと疑問視されている。問題意識を広く共有すべきだ」。十九日に東京・永田町で設立総会が開かれた「八ッ場ダムを考える一都五県議会議員の会」。メンバーに加わった自民党の埼玉県議は自身の判断をこう説明した。
会は本県の非自民系県議が呼び掛けて発足。ダム事業に関し国に情報公開を求め、突き詰めれば「脱ダム」を目指す地方議連に映る。事務局によると群馬、東京、千葉、埼玉、茨城、栃木の都県議六十人強が参加。自民党からは二人だった。
自民党議員なら、建設を推進する政府与党を後押しする立場だ。メンバーになったこの埼玉県議は、党関係者から入会しないよう要請があったことも打ち明けた。設立総会は欠席したが、今後興味のあるテーマの会合には参加する考えという。
「建設反対の議連ではないから」と力を込めた。
八ッ場ダムの計画が提示され五十六年。国交省は完成時期を先送りし、事業の是非は国会でも議論の俎上にのる。膨大な事業費を負担する都県の議員は、故郷や生活が犠牲になる地元住民への視点を忘れずに、タブーなき議論を展開してほしいと願う。