2009年3月31日 朝日新聞群馬版より転載
千葉県知事選で初当選した森田健作氏(59)が30日、千葉市内で記者会見し、長野原町に建設中の国営八ツ場ダムについて、「関係の知事がやろうと言っていることだ。もう一度精査し直すが、みんなでやろうってことですから、前向きに考えます」と述べ、ダム建設に対し積極的な姿勢を打ち出した。
森田氏の発言を受けて、ダム建設反対派からは、ダム建設が進むことを懸念する声があがった。市民団体「八ツ場ダムをストップさせる市民連絡会」の嶋津暉之代表は「八ツ場ダムは1都5県が支えており、1県でも『ノー』と言えば、ブレーキをかけることが可能だっただけに残念だ。今後の都議選や衆院選の場でも、反対を訴えていく」と話した。
「八ツ場ダムを考える1都5県議会議員の会」の代表世話人を務める関口茂樹県議も「利水と治水の目的を失っている無駄な公共事業であり、貴重な動植物が生息している吾妻渓谷への環境負荷も大きい。結論を出すにあたっては、国交省だけでなく反対派の意見も聞いて欲しい」と注文をつけた。
一方、推進を掲げる県の「八ツ場ダム地域生活再建推進連絡会」委員長でもある茂原璋男(あき・お)副知事は「八ツ場ダムは千葉県にとっても、上水や工業用水として重要なダムであることを理解頂けていることだと思う。ダム建設にむけて、協調していきたい」と話した。
また、自民党県連の南波和憲幹事長は「八ツ場ダム建設を推進する知事の誕生を歓迎する。精査した上で、建設推進という結論を出して欲しい」と述べた。