八ッ場ダムをストップさせる茨城の会では、茨城県内の42市町村議会に対し、国と茨城県に対して以下の請願書を提出するよう働きかけを行ってきています。12月議会では筑西市議会で請願が採択され、石岡市、かすみがうら市、土浦市、守谷市では継続審議となっているとのことです。
以下に、茨城県議会宛の請願書を転載させていただきます。
議会議長様 2009年11月18日
八ッ場ダムをストップさせる茨城の会 代表:近藤欣子 濱田篤信 柏村忠志
事務局長:神原禮二 取手市白山1-8-5
請 願 書
「八ッ場ダム中止問題について」
[請願主旨]
戦後60余年、わが国はひたすら「輸出産業による経済成長」を進め、富の再分配を「公共事業」を軸に進めてきました。結果、美しい山河はコンクリートで固められ、政官業の利権構造と、膨大な財政赤字が残されました。
8月30日、国民の意思による初めての政権交代が実現しました。そこに示された国民の意思は、憲法で保障された「国民福祉」であり、「土建国家」からの転換でありました。
国民の付託を受けた新政権は「コンクリートから人へ」を掲げ、その象徴である「八ッ場ダム事業の中止」を表明いたしました。新しい国づくりの方向が示されたのです。
八ッ場ダム事業の中止は、茨城県民にとりましても大きな意義があります。治水においては、福田政権時の政府見解で「カスリーン台風が再来してもその効果はゼロ」とされており、利水にあっては、受益者である下流6都県の水余りは日量600万トンを数え、茨城県においても余剰工業用水を加えると80万トンもの水余りを抱えています。このように意味を失った八ッ場ダムは、県財政の赤字と高い水道料金となって県民の負担を増大させるだけの存在となっています。
橋本知事は八ッ場ダム中止の政府声明に対して「中止するならば既に支払った茨城県の負担金の返還を求める」と表明され、前原国土交通大臣は「返還する用意がある」と答えました。私たちはこの問答を歓迎いたします。八ッ場ダムへの負担金は既出分と今後の負担を合わせますと二百数十億円にも上り、起債利息を含めますと遥かに大きなものになります。県債残高は1兆8000億円を超え、水道料金は首都圏で最も高いものになっています。
貴議会におかれましては、上記の趣旨をご理解頂き地方自治法99条の規定により茨城県知事に対し意見書を提出して頂きますよう請願いたします。
[請願事項]
1、八ッ場ダム中止に伴い県負担分の返還を求め、それを原資に県営水道料金の引下げを図られますことを。
2、ダム計画から57年、国のダム政策に翻弄され続けた地元住民に対し、将来に希望の持てる生活再建の実現を国に求めると共に、ダム推進を図ってきた茨城県も相応の責任を果たすことを。
以上、地方自治法第124条の規定により、請願いたします。