2010年6月12日 東京新聞群馬版より転載
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20100612/CK2010061202000090.html
●県議会八ッ場ダム特別委 県、代替地の強度測定へ
県は十一日に開かれた県議会八ッ場(やんば)ダム対策特別委員会で、ダム建設予定地住民の移転代替地の安全性を確かめるため、八月末をめどに国土交通省と連携して土地の強度を測る「安定計算」を実施する方針を示した。
対象となる地点を選定した上で、国交省が計算作業を実施する。県は、同省が新潟県中越地震を契機に改正した『宅地防災マニュアル』の新たな基準に照らし合わせて、計算データを評価。土地の安全度について確認する。
代替地については、ダム建設中止を求める市民団体「八ッ場あしたの会」などが、独自調査を基に「耐震性などの検証が不十分。中規模の地震が起きた場合でも、安全性には強い疑問が残る」と指摘していた。
県は「(宅地防災マニュアル)改正前の基準による国の強度計算では、代替地の安全性に問題は確認されていない」としている。
このほか、県はダム建設予定地の道路や鉄道の付け替え工事の進行状況についても説明した。建設途中のT字形の橋脚が同ダム問題の象徴的存在として有名になった「湖面2号橋」は、接続する道路の用地取得が一部完了していないことを報告。JR吾妻線の付け替えでは、土地買収が難航している区間が二カ所残っていることも明らかにした。 (中根政人)