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群馬県、環境省に品木ダム周辺にヒ素汚染の恐れなしと回答

2010年6月12日 朝日新聞群馬版より転載
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000001006120001

●品木ダム周辺「汚染恐れなし」環境省に回答

 中之条町の品木ダム周辺で国土交通省が素掘りの産業廃棄物処分場に大量のヒ素を含む汚泥を長年投棄している問題で、県が環境省に対し「公共の水域及び地下水を汚染するおそれはない」「生活環境保全上の支障は生じていない」などと回答したことがわかった。11日の県議会八ツ場ダム対策特別委員会で、角倉邦良委員(リベラル群馬)の質問に県が明らかにした。

 品木ダムは吾妻川上流域の強酸性水を中和する事業の一環で造られ、中和で生じた沈殿物をためる役割がある。土砂と沈殿物は、浚渫(しゅん・せつ)して周辺の処分場に捨てている。

 しかし、汚泥処分の際法律で必要とされている汚染拡大を防ぐ遮水設備が、問題の処分場にはなかった。許認可権を持つ県が無害の「土砂に準ずる」と独自の解釈で認可を出していたことを朝日新聞が報じ、環境省が県に問い合わせていた。

 県は処分場について、ダム湖の集水域に設置されるため、処分場から出る水はダム湖に戻るだけで汚染は拡大しないとして、特殊事情が認められると回答。その上で、「公共の水域及び地下水を汚染するおそれのない措置を講じた一般廃棄物のみ」の埋め立て地は、法令上定められた遮水工などの水処理施設は不要と判断したとしている。

 現場は八ツ場ダム(長野原町)予定地の上流約15キロ。衆院国土交通委員会では、八ツ場ダムを建設した場合もヒ素が堆積(たい・せき)する恐れがあるとして問題になっていた。