八ッ場ダム計画は、首都圏の水道行政における地下水切捨て政策と連動して進められてきました。
水道水は地下水と河川水を水源としていますが、地下水は水質が河川水より優れているだけでなく、災害に強いというメリットがあります。福島原発事故の水道水放射能汚染により、改めて地下水が災害に強い貴重な水源であることが証明されつつあります。
千葉県の四街道市と酒々井町は利根川を水源とする印旛郡市広域市町村圏事務組合からの取水をストップして、当面、地下水源のみで給水しています。また、同じく千葉県の神崎町では、地震で利根川水系の浄水場が損傷して使えなくなり、町内全域に地下水を給水しています。
◆2011年3月26日 読売新聞より転載
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110325-OYT1T01059.htm?from=main1
-北千葉浄水場、23日に規制値上回るヨウ素検出 ―
千葉県は25日、県や松戸市など8自治体で作る北千葉広域水道企業団の「北千葉浄水場」(流山市)で23日に採取した水から、乳児が飲む暫定規制値(1キロ・グラムあたり100ベクレル)を上回る110ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたと発表した。
同浄水場は江戸川から取水。企業団では、給水先の野田、柏、流山、我孫子、八千代市の全域、松戸、習志野市の一部地域の世帯に乳児の飲用を控えるよう呼びかけている。松戸市と習志野市には、県水道局の給水区域もあるが、「対象の地域分けは両市で対応できる」(県水政課)としている。
一方、北千葉と同じ23日に採取した水を検査した君津、東総、九十九里、南房総の各広域・地域水道企業団の浄水場では、いずれも規制値未満または不検出だった。県は「25日も全5企業団の浄水場で採水して検査を依頼した」として、数値が安定するまで検査を続ける方針。独自に水源を地下水源に切り替える動きもある。四街道市と酒々井町は23日午後から、利根川を水源とする印旛郡市広域市町村圏事務組合からの取水をストップ。両市町はもともと給水量の9割以上が地下水だが、当面、地下水源のみで給水する。このほか、神崎町は地震で利根川水系の浄水場が損傷して使えなくなり、町内全域に地下水を給水している。
—転載終わり—
千葉県議会では、3月28日に総務常任委員会が開催され、小宮清子議員(社民党)が浄水場の放射性物質について、測定にどれだけの時間を要するのかを質問しました。その結果、測定は外部機関への依頼によって行われており、検体が多数持ち込まれている現状では、少なくとも1~2日は要することが明らかになりました。
つまり、自治体が「赤ちゃんには水道水を飲ませない方が安全」と警告する時点では、すでに安全でない水道水が供給されて1~2日経っていることになります。市民への自治体の通報は、システム上、安全確保の役割を果たしているとは言えず、幼児や妊婦のいる家庭は自衛策としてペットボトルを買い求めることになります。
被災地はもとより、人口が密集する首都圏でも、ペットボトル水の売り切れが続出しています。
*参考ブログ↓
◆内閣府の原子力安全委員会専門委員などを歴任した武田邦彦氏のブログ http://takedanet.com/2011/03/41_8b29.html
原発 緊急情報(41改) 千葉の水道汚染と発表 2011年3月31日
◆千葉県議、大野ひろみさん()のブログ
http://kenken55chiba.blog54.fc2.com/blog-entry-279.html
「ベクレル? 遅レル? ダマサレル?」 2011年3月29日
◆八ッ場あしたの会事務局だより
https://yamba-net.org/wp/modules/news/index.php?page=article&storyid=1202
「ダムと地下水」(福島原発事故による放射能汚染)