2012年3月19日
昨年末の八ッ場ダム事業の進捗状況に関する国交省資料が群馬県議会で公表されましたので、転載しました。
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https://yamba-net.org/wp/modules/process/index.php?content_id=4
水没予定地の鉄道、国道、県道の付け替えは昨春完了の予定でしたが、完成したのは国道の付け替えのみです。
この付け替え国道は、地域高規格道路として計画されている上信自動車道の一部(八ッ場バイパス)です。
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国交省高崎河川国道事務所の資料より
http://www.ktr.mlit.go.jp/takasaki/road/images/17shibun06.pdf
「上信自動車道について」
「群馬がはばたくための7つの座標軸」のうち、「吾妻軸」の主軸。
車線数は原則二車線
(八ッ場バイパスは四車線で計画されており、下流都県の負担金などもこの計画をもとに決められ、四車線分の用地が買収されてきましたが、実際には二車線の建設のみで予算を使いきっています。群馬県議会における県の説明では、「四車線にするかどうかは車の利用状況を見て決める」ということですが、四車線になる可能性はないと見られます。
起点は関越自動車道の渋川伊香保インター(群馬県渋川市)、上信越自動車道の東部湯の丸インター(長野県東御市)です。
付け替え国道は現在の鉄道と交差しているため、時速は60キロとされているものの、鉄道との交差地点に踏切が設けられています。また、川原畑地区の松葉沢周辺では、道路の山側が地すべりを繰り返しており、その対策工事のために迂回路が造られている状態です。川原畑地区の付け替え国道周辺は、地質が悪いことで知られており、付け替え国道の法面には地すべり対策のアンカー工が大量に施されていますが、酸性土壌のためコンクリートが赤茶けています。
鉄道、県道の付け替えがいつ完了するのかは、明らかにされていません。
代替地の造成は、当初は1990年代に完了する筈でしたが大幅に遅れました。特に、水没予定地で最も世帯数の多い川原湯地区の住民の移転代替地の造成が遅れています。川原湯地区には「打越」と「上湯原」の二箇所に代替地ができる予定ですが、当初、代替地の中心となる予定だった「上湯原代替地」はいまだに用地取得が完了しておらず、未完成です。また、「打越代替地」は、第一期、第二期分譲地は分譲が開始され、すでに10軒余りが移転済みですが、肝心の川原湯温泉の移転代替地とされている第三期分譲地はいまだに未完成です。
なお、本体工事は未着工、進捗率0パーセントです。