2012年9月29日
東京都水道局から、今年4~8月の毎日の配水量データが開示されました。
4~8月の一日最大配水量は7月19日の469万?/日でした。
2012年度の一日最大配水量が9月以降に発生する可能性はゼロではありませんが、気温の変化からみて、その可能性はほとんどなく、469万?/日が今年度の一日最大配水量になると考えられます。
2011年度の一日最大配水量は480?/日でしたから、11万?/日も減ったことになります。今夏は酷暑が続く日々でしたが、それでも一日最大配水量は増えませんでした。
上のグラフを見ていただくとわかるように、東京都水道の一日最大配水量はほぼ減少の一途を辿っています。ピークの1992年度の617万?/日と比べると、2012年度は148万r?/日も減っています。
東京都の人口は2020年度頃にピークを迎えると予測されており、今も増え続けているのですが、水道局による漏水防止対策、節水型機器の普及、季節によるライフスタイルの差が小さくなってきたこと、ペットボトル水の普及などの要因により、一日最大配水量の減少が続いています。
東京都が八ッ場ダムで予定している水源量は配水量換算で43万?/日ですから、この20年間にその3.4倍も減少していることになります。
東京都は利根川、荒川、多摩川上流のダム開発に関わり、多くのダム建設の負担金を支払ってきましたので、現在では保有水源が約690万立方メートルにも膨れ上がっています。 したがって、最も水道水を多く使う夏場でも、約220万立方メートルも余裕があったことになります。
今夏のような渇水年で取水制限が10%あっても、給水制限につながらないのはそのためです。
一方、東京都が今年3月に発表した水需要予測では2015年度には592万?/日まで急増することになっています。現実を無視した架空の予測が八ッ場ダムを推進するために罷り通っています。
上記のような現実が広く知られるようになれば、マスコミの渇水報道で不安を覚える人もいなくなるでしょうし、水源確保のためのダム建設という国交省の広報も説得力を失うでしょう。