2012年12月27日
本日、三年三カ月ぶりに自公政権が復活しました。
当会では、今月12月16日の総選挙前に、八ッ場ダム事業に関する政策について、各政党本部に公開アンケートを実施しました。以下のページに掲載したアンケート結果からわかるように、再発足した自公政権は、国交省の意向通り、八ッ場ダムの本体工事に早期に着工する可能性がきわめて高いと考えられます。↓
https://yamba-net.org/wp/modules/news/index.php?page=article&storyid=1791
新聞紙上では政権発足に当たり、さっそく八ッ場ダムに関する新国交大臣や群馬県知事、地元長野原町長の発言を取り上げています。地元を抱える知事、町長の発言は、これまでと変化がありません。故郷を沈めるダム建設を歓迎する地元有力者らの倒錯した発言は、地域全体が八ッ場ダム事業に支配されている背景事情を知らなければ異常と映るでしょう。実際、これまでも地元は八ッ場ダム事業によって多大な犠牲を強いられてきましたが、今後、ダム事業が推進されることで、地元はさらに厳しい状況となることが懸念されます。
関連記事を転載します。
◆2012年12月28日 上毛新聞一面トップ
(ネットには紙面の記事の前半のみが掲載されています。)
http://www.jomo-news.co.jp/ns/9913566194118481/news.html
-八ツ場ダム建設推進 太田国交相が方針表明ー
第2次安倍内閣で国土交通相に就任した公明党の太田昭宏氏は27日の記者会見で、八ツ場ダム(長野原町)について「早期完成に向けた取り組みを進めていく」と述べ、建設推進の方針を表明した。民主党政権時に官房長官裁定でダム本体工事の予算執行条件とした利根川水系の河川整備計画の策定は、継続するものの作業を急ぐ考えを示した。大沢正明知事は同日上京し、自民党の石破茂幹事長ら党幹部に早期完成を要望した。
太田氏は会見で「前田大臣が1年前に継続と決定したことを尊重する」と述べた。20~30年間で行う事業を定める河川整備計画については「計画を策定していく方向性は、私は結構だと思う。むしろ早く決めていくということではないか」と答えた。民主政権が進めた全国のダムを対象とする見直し作業は継続する意向を表明した。
自民党本部を訪問した大沢知事は石破幹事長や高村正彦副総裁らに八ツ場ダム本体の早期着工を要望した。会談後、大沢知事は「『一生懸命やる、一日も早く着工する』と言っていただいた」と手応えを口にした。年明けには太田氏に会い、八ツ場ダムの視察を要請する意向だ。
八ッ場ダムをめぐっては、2009年衆院選で建設中止をマニフェストに掲げた民主党が大勝、政権交代直後に当時の前原誠司国交相が中止を宣言した。再検証を経て昨年12月に前田武志国交相が建設再開を表明した。だが、河川整備計画の策定は難航しており、本年度計上された本体関連工事予算18億円は執行されていない。
長野原町の高山欣也町長は取材に対し、「河川整備計画にとらわれず、早く予算を執行してほしい」と強調。県の笹森秀樹県土整備部長は「(河川整備計画策定は)法的な条件ではない。本体工事と計画の策定を同時に進めてもらえると期待している」と話した。
一方、ダム建設に反対する水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之共同代表は「民主的に河川整備計画を定めたうえで、本体工事の是非を判断すべきだ。科学的議論をすれば、治水上、八ッ場ダムは不要ということを必ず証明できる」と主張した。
◆2012年12月27日 時事通信より一部転載
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012122700034&m=rss
ー新閣僚会見ー
太田昭宏国土交通相 経済再生、復興、防災・減災、危機管理の分野で、現場でしっかり仕事をするのが国交省と私の役割。(補正予算の規模は)公明党は10兆円前後とかねて主張している。(自民党と)大規模な補正予算をつくることで一致しており、連立の大事な一つの柱だ。大体そういう規模ということを内閣全体で話し合い、首相の指示を待って対処したい。八ツ場ダムは、民主党政権の前田(武志)国交相の時に(建設)継続が決定されている。尊重して臨みたい。
◆2012年12月27日 朝日新聞社会面より転載
http://www.asahi.com/politics/update/1227/TKY201212270297.html
-八ツ場ダム建設を推進 太田国交相「継続の決定を尊重」ー
太田昭宏国土交通相は27日未明の就任会見で、八ツ場ダム(群馬県)について「(民主党政権が)継続と決定したことを尊重する。早期完成へ取り組みを進めていく」と述べ、建設を推進する考えを示した。
ただ、現在見送られている本体工事への着工の見通しは明言しなかった。
八ツ場ダムは、民主党が2009年の総選挙で中止を公約し、無駄な公共事業の見直しをうたう「コンクリートから人へ」のスローガンの象徴だった。ただ、民主党政権は「地元の声などを考慮した」と昨年末に建設再開に転じていた。
本体工事については、利根川水系の河川整備計画などをつくってから判断する、と見合わせてきた。
◆2012年12月27日 朝日新聞群馬版より一部転載
http://digital.asahi.com/area/gunma/articles/TKY201212260903.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201212260903
-景気対策・八ツ場ダム…新政権に期待と不安 群馬ー
民主党政権下で揺れた八ツ場ダム問題。新政権が本体工事着工に動く場合、利根川水系の河川整備計画策定を前提とするかが課題になる。
地元・長野原町の高山欣也町長は策定作業と切り離して本体着工するよう求め、「太田昭宏・国土交通相に1月には地元に来てほしい。民主政権と違い、住民も会うと思う」。
ダムの必要性ではなお市民団体や研究者に異論があり、新政権の対応が注目される。
◆2012年12月27日 上毛新聞より転載
-八ッ場 早期完成をー
八ッ場ダムの地元、長野原町からは新政権への期待の声が上がった。高山欣也町長は太田昭宏国土交通相について「(八ッ場ダムの恩恵を受ける)東京選出の議員で、防災にも詳しい」と話し、近いうちに建設予定地の視察に訪れることを期待した。
八ッ場ダム水没関係5地区連合対策委員会の篠原憲一事務局長は「工事を進めてくれると期待している。新年度を待たずに(本体関連工事予算の)18億円に多少の補正予算を加えて、すぐ実行に移してほしい」と要望した。
大沢正明知事は「地元の皆さんがこれ以上、将来への不安や生活上の不便をきたさないよう、計画通りのダム本体工事の完成や、生活再建関連事業の早期完成を期待している」とした。
◆2012年12月27日 産経新聞より転載
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/617882/
-インフラ老朽化対策進める トンネル事故で太田国交相
太田昭宏国土交通相は27日未明の記者会見で、中央自動車道笹子トンネル(山梨県)の天井板崩落事故で問題となったインフラの老朽化対策や、南海トラフ巨大地震、首都直下地震といった大規模地震に備えた施設の耐震化に積極的に取り組む考えを示した。
太田氏は「防災、減災施策を進め、安全な国土をつくることが喫緊の課題だ」と強調。東日本大震災の復興事業に関しても「被災者の心情に即してやっていくことが大事だ」として、高台移転や住宅整備などの対応を急ぐ方針を示した。
民主党政権が進めた全国のダムを対象とする見直し作業は継続する意向を表明。群馬県の八ツ場ダムには「早期完成に向けた取り組みを進めていく」とした。
6月に着工を認可した北海道、北陸、九州・長崎ルートの整備新幹線3区間の開業時期の前倒しは「与党と相談してよく検討したい」と述べるにとどめた。