滋賀県が淀川水系・大戸川(だいどがわ)ダムの勉強会を設置する予算案が県議会で可決されました。
建設凍結中の大戸川ダムを推進に切り替えるための勉強会です。
◆2018年4月25日 京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20180425000207
ー大戸川ダム勉強会、5月にも初会合 滋賀県知事が表明ー
滋賀県議会定例会の4月招集会議で提案された大戸川ダム(大津市)に関する勉強会の補正予算案について、三日月大造知事は提案説明で「(検証結果は)国や下流府県に対し、(今後の治水対策の)県の立場を説明するツールとして活用する」と述べ、早ければ5月にも初会合を開く考えを示した。
勉強会は河川政策の専門家ら6人で構成し、公開で開く。大戸川ダムの建設「凍結」を求めた2008年の4府県知事合意の見直しを視野に、ダムによる大戸川流域の治水効果や瀬田川洗堰(大津市)の操作に与える影響を検証する。
共産党の節木三千代県議は質疑で「(国が計画する)ダムの検証は国に求めるべきだ。勉強会はダムに頼らない流域治水政策を放棄するもの」と厳しく批判し、予算案に反対した。
三日月知事は議論を急ぐ理由として、県議会が昨年12月に知事合意の撤回を求めた決議を挙げ、「県民の生命と財産を守る河川整備を進めていくためできるだけ早い時期にスタートさせたい」と述べた。
◆2018年4月25日 産経新聞
http://www.sankei.com/west/news/180425/wst1804250099-n1.html
ー大戸川ダムの効果検証へ 建設凍結中、関連予算可決 滋賀県議会ー
建設が凍結している大戸川ダム(大津市)について、治水効果や流域への影響を検証するための経費約3400万円を盛り込んだ補正予算が25日、滋賀県議会で可決、成立した。県は5月中にも学識経験者らでつくる勉強会を設置して初会合を開く。
大戸川ダムは平成20年に三重、滋賀、京都、大阪の4府県知事が「河川改修を優先すべきだ」などと建設中止を求める共同意見を発表し、国が21年に事業を凍結。相次ぐ台風被害を受け県議会は昨年12月、ダムの早期建設と4知事の合意撤回を求める決議を可決していた。
勉強会は本年度に3回会合を開き、凍結以降の降雨量の変化や大戸川の改修の進捗状況などを踏まえてダム事業の効果を検証する。結果の取りまとめの時期は未定。三日月大造知事は25日の県議会で「国や下流府県に県の立場を説明するツールとしたい」と述べ、検証結果を判断材料に4知事の合意見直しの必要性についても検討する意向だ。
◆2018年4月25日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29820000V20C18A4LKA000/
ーダム効果・影響を検証 滋賀県、大戸川治水でー
国が計画する大戸川ダム(大津市)の建設凍結を求めた2008年の滋賀と大阪、京都、三重の4府県知事合意に関して、滋賀県はダムを建設した場合の治水効果や影響を検証する独自の勉強会を5月に発足させる。
勉強会は学識経験者6人程度で構成。現状とダムがある場合を比較し、大戸川流域に与える治水効果や瀬田川洗堰(あらいぜき)の操作に与える影響を検証する。今年度内に3回程度、公開で開く予定だ。
大戸川ダムを巡っては滋賀県の三日月大造知事が2月の定例県議会で「知事合意について必要な見直しができるよう努めたい」と述べ、県独自に効果や影響を検証するための勉強会を発足させる方針を示していた。
◆2018年4月19日 毎日新聞滋賀版
https://mainichi.jp/articles/20180419/ddl/k25/010/413000c
ー大戸川ダム 識者と治水効果検証 県の勉強会、来月初会合 /滋賀ー
県は18日、国が計画する大戸川ダム(大津市)の効果や影響を検証するため、県独自に設置する勉強会の概要を公表した。勉強会は三日月大造知事が今年2月、県議会で設置を表明していた。初会合は5月に予定し、年度内に3回程度、公開で開催する。
メンバーは、ダムや河川工学などの学識者6人程度と県職員を予定。大戸川流域に与える治水効果と、瀬田川洗堰(あらいぜき)操作に与える影響の2点を検証する。ダムの有無による浸水被害や、洗堰を完全に閉める「全閉(ぜんぺい)」操作の時間、琵琶湖の水位変化などのシミュレーションは高度な専門知識が必要になるため、データの解析はコンサルタント業者に委託する。
勉強会の成果は、国や下流域の京都、大阪両府に県の立場を説明する際に利用する。県は25日に開かれる県議会4月議会に、業務委託費など関連費用計3426万円を盛り込んだ2018年度補正予算案を提出する。【北出昭】