2013年6月都議選公開アンケート結果
2013年6月13日
2013.6東京都議会議員選挙
八ッ場ダム事業に関する会派アンケート 集計結果
八ッ場ダムをストップさせる東京の会では、５月３０日、別紙のアンケートを
○都議会現会派で、都議選に候補者を立てる予定の、
民主党、自民党、公明党、共産党、生活者ネットワーク・みらい、東京維新の会、みんなの党、無所属の会（佐藤広典）
○新たに候補を立てる予定の、
社民党、みどりの風、無所属（小枝すみ子）
に送付し、６月１２日現在、
民主党、共産党、生活者ネットワーク・みらい、社民党、みどりの風、無所属（小枝）
の各会派から回答をいただきましたので、下記に結果を掲載させていただきます。
自民党、公明党、東京維新の会、みんなの党、無所属の会（佐藤）からは、残念ながら回答がありませんでした。
国は先月、八ッ場ダム本体関連工事の入札に踏み切りましたが、工期延長、事業費増額のための八ッ場ダム基本計画変更は必至の情勢です。計画変更には議会の議決を経た都県知事の同意が必要であり、都議会各会派の賢明な判断が求められます。
回答いただいた各会派のうち、共産党、生活者ネット、社民党、みどりの風、無所属（小枝）は「計画変更に反対する、八ッ場ダムは建設中止するべきである」と明言しましたが、民主党は判断を保留、ただし「水需要予測は見直すべき」と回答しています。また、共産党、生活者ネットは自由記述欄で「現地住民への支援が必要」と指摘しています。
６月２３日の都議会議員選挙に際して、参考にしていただければ幸いです。
６月１２日 八ッ場ダムをストップさせる東京の会
＜設問の趣旨と回答＞ 設問の詳細と選択肢は別紙アンケートをご覧下さい。
１ 八ッ場ダムの工期延長（基本計画の変更）が都議会に諮られた場合、どのような姿勢で臨まれますか？
共産党、生活者ネット、社民党、みどりの風、無所属（小枝）：ロ 反対する
民主党 ：その他 諮られる内容を充分精査した上で判断します。
２．八ッ場ダムの事業費増額（基本計画の変更）が都議会に諮られた場合、どのような姿勢で臨まれますか？
共産党、生活者ネット、社民党、みどりの風、無所属（小枝）：ロ 反対する
民主党 ：その他 諮られる内容を充分精査した上で判断します。
３．八ッ場ダム建設による災害の危険性についてどのようにお考えですか？
共産党、生活者ネット、社民党、みどりの風、無所属（小枝）：ハ 災害を引き起こす可能性が高いので、ダム建設は中止すべきである
民主党 ： その他 移転代替地の安全対策に費用を惜しむべきではなく、安全には万全を期すべきと考えます。
４．東京都の水需要予測についてどのようにお考えですか？
共産党、生活者ネット、社民党、みどりの風、無所属（小枝）：ロ 不合理な予測を見直し、ダムなどの不要な水源開発からは撤退するべきである
民主党 ： その他 新しい水需要予測は再度見直す必要があります。
５.治水対策についてどのようにお考えですか？
共産党、生活者ネット、社民党、みどりの風、無所属（小枝）：ロ 役に立たないダム事業は中止し、堤防の強化に予算を振り向けるべきである
民主党 ： その他 下流域の堤防と水門の補強や更新は、地盤・津波・高潮対策としても必要であり、ダム建設にかかわらず早急に実施すべきです。
＜八ッ場ダムに関するご意見＞
共産党： 首都圏の水の供給は足りており、治水や防災の面でも八ッ場ダムは造ればかえって危険です。ムダな公共事業の典型である八ッ場ダムはきっぱり中止すべきです。また、国は、住民生活への補償や支援に万全を尽くすべきです。
生活者ネット： 八ッ場ダム計画があるために、都は現状と矛盾した過大な水需要予測をしなければならないという、本末転倒の事態が起こっている。八ッ場ダムは、利水・治水の両面から必要性がないばかりか、地盤が脆弱で地すべりの危険性が高い。これまでダム計画に翻弄されてきた現地の住民の人たちがきちんと生活できるような支援策とセットで、ダム計画を中止すべきだ。
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公開アンケートの質問文を転載します。
2013年5月30日
八ｯ場ダムをストップさせる東京の会
代表 深澤洋子
八(や)ッ(ん)場(ば)ダム建設事業に関するアンケートのお願い
６月２３日の都議会議員選挙を控えて、準備にお忙しいことと存じます。
私たちは、八ｯ場ダム事業の中止を求めて活動してきた市民団体です。今年５月１５日、国交省は、その内容、進め方に厳しい批判が寄せられていたにもかかわらず、八ッ場ダム事業を含む利根川・江戸川河川整備計画を策定し、翌日には八ッ場ダム本体関連工事の入札に踏み切りました。
しかし、東日本大震災・福島原発事故からの復興、人口減少、インフラ老朽化といった数々の難題に直面する中で、このまま八ッ場ダム事業を推進することは将来に大きな禍根を残すことにならないでしょうか？
ダム事業としては最高額の総事業費約４６００億円（起債利息を除く）で、その他に水源地域整備事業や水源地域対策基金事業もあり、それらも含めると、東京都の負担額は約８５２億円にも上ります。本体着工以前に、すでに４０００億円以上が費やされていますが、国交省の試算でも追加的な地すべり対策や代替地の安全点検等に約１８３億円かかるとされており、さらに事業費が膨らむ恐れがあります。また、２０１２年２月の国会答弁で前田元国交相は「本体工事入札公告から試験湛水が終了して貯水開始まで７年はかかる」と言明しており、仮に今年度中に本体着工してもダム完成は２０２０年度になります（現計画では２０１５年度完成）。
つまり、早晩、八ッ場ダム事業の計画変更を承認するかどうか、都議会で審議されることになります。
そこで、当会は八ｯ場ダムと水道行政についてのご見解を、都議会各会派にお示しいただきたいと考え、アンケートを行うことにしました。つきましては、お忙しいところ大変恐縮ですが、６月８日までにFAXまたはメールで回答をご返信くださるようお願いいたします。結果は、回答の有無も含めて、都議選告示前にインターネットで都民に公開する予定です。
＜以下設問です。該当項目を選択して○を記入し、返信してください。＞
１ 関係都県はこれまで３度にわたり基本計画変更に同意してきましたが、八ッ場ダム検討の場及びその幹事会において国に現在の基本計画の遵守を求め、「完成が遅れればダム参画は不要」との立場を示しています。しかし、上記のようにダム完成が５年以上遅れることは確実です。
貴会派は、八ッ場ダムの工期延長（基本計画の変更）が都議会に諮られた場合、どのような姿勢で臨まれますか？
イ 賛成する
ロ 反対する
ハ わからない
２．上記のように事業費増額の必要性は国交省自らが認めていますが、不十分な地滑り対策の追加措置、人口流出で売れ残った代替地の整備費用の大半の負担、東電への減電補償などで、さらに３００〜４００億円の増額が予想されています。
貴会派は、八ッ場ダムの事業費増額（基本計画の変更）が都議会に諮られた場合、どのような姿勢で臨まれますか？
イ 賛成する
ロ 反対する
ハ わからない
３．八ッ場ダム予定地は“地すべりのデパート”とも言われ、脆い地質と急峻な地形が特徴となっています。水没予定地住民の移転代替地は、沢を３０m以上も盛土して造成されています。その上、東日本大震災をふまえた地震対策はまだ考えられていません。住民の被害を防ぐためには、さらなる安全対策に今後も膨大な時間と費用がかかる可能性があります。現に奈良県の大滝ダムの事業費は、地すべり対策などにより当初の１６倍に増えました。
貴会派は、八ッ場ダム建設による災害の危険性についてどのようにお考えですか？
イ 国交省がこれ以上費用をかけずに万全の安全対策と取れると信じている
ロ 費用を惜しまず万全の安全対策を講じた上で、ダムを建設するべきである
ハ 災害を引き起こす可能性が高いので、ダム建設は中止すべきである
二 わからない
４．東京都の一日最大配水量は節水型機器の普及などにより、２０年前から減少の一途を辿り、現在では２割以上も減っています。昨年度は４６９万㎥まで低下しま した(３ページのグラフ参照)。さらに八ッ場ダムが完成するとされる２０２０年以降は都の人口も減少に転じます。しかし東京都の予測では、水需要が急角度 で上昇傾向に転じ、将来の一日最大配水量が約６００万㎥になるとしています。
一方、保有水源は十分な量を確保しており、渇水年とされた昨年も、取水制限による影響はありませんでした。大規模な施設更新を控える中、東京都の水道財政に、不要な事業に税金をつぎ込む余裕はないはずです。
貴会派は、東京都の水需要予測についてどのようにお考えですか？
イ 今後、水需要が上昇に転じるという予測は正しいので、見直す必要はない
ロ 不合理な予測を見直し、ダムなどの不要な水源開発からは撤退するべきである
ハ わからない
５．都は国から八ッ場ダム事業の治水負担金を求められてきましたが、八ッ場ダムの治水効果はごくわずかです。国交省のデータからも、八ッ場ダムの治水効果は下流に行くほど減衰し、東京都が接する江戸川下流では水位低減効果が数㎝以下になってしまいます。
一方で、国交省による堤防調査では脆弱な箇所が数多く見つかっており、流域住民は水害の危険性にさらされています。
貴会派は、治水対策についてどのようにお考えですか？
イ 従来通り、ダム事業を優先して進めるべきである
ロ 役に立たないダム事業は中止し、堤防の強化に予算を振り向けるべきである
ハ わからない
＜八ッ場ダムに関するご意見をお書きください＞