八ッ場ダム予定地を抱える群馬県の地元紙、上毛新聞の元旦の紙面に、相沢曜一さんの写真集「ふるさと川原湯」の紹介記事が掲載され、Yahoo!ニュースにも転載されました。
相沢さんが2014年に59歳で亡くなった後、大量に残された水没地のモノクロ写真の中から、お知り合いの小倉隆人さんと湯浅きいちさんが2017年に刊行された写真集は、2018年11月に朝日新聞群馬版で紹介され、群馬県立図書館や長野原町立図書館にも配架され、反響を呼んでいます。
相沢さんの写真集は当会でも扱っていますが、以下の記事にもありますように残り少なくなっていますので、ご希望の方は早めに以下のメールフォームにてお知らせください。 (送料込み1,080円)
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◆2019年1月1日 上毛新聞
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/culture/102788
ー八ツ場予定地の失われた風景に地元反響 故・相沢さんの写真集ー
懐かしい故郷の野山や田畑、小学校、民家―。2019年度完成予定の八ツ場ダム(長野原町)の建設によって失われた風景を記録した写真集「ふるさと川原湯 八ツ場ダム予定地の暮らし 1993~2004年」(HuRP出版)が静かな人気だ。撮影者は完成前に急逝し、志を受け継いだ友人が現地に足を運んで一昨年出版した。移転を余儀なくされた人々の暮らしをとどめている。
◎高さ1メートルの膨大な写真の量から選定
撮影したのは相沢曜一さん=千葉県印西市。同県の医療法人職員として勤務する傍ら現代写真研究所で学び、1993年から八ツ場地域を撮り始めた。当初は水没する高さを示した「586M」の看板ばかり撮影していたが、現地に通ううちに家族や農作業の風景、伝統行事など人に焦点を当てた写真に変わっていった。
交流のあった写真家の小倉隆人さん(68)=徳島県吉野川市=によると、相沢さんはダム反対の立場で撮影していた。「容認せざるを得なくなった住民の深い悲しみに触れ撮影できない時期もあった。迷いながらも八ツ場に通い写真を撮り続けた」(小倉さん)という。
相沢さんは2014年に59歳で病死。友人の湯浅喜一さん(66)=千葉県白井市=と小倉さんが中心となり、写真集づくりが始まった。積み上げると高さ1メートルにもなる膨大な写真の中から、人々の暮らしを伝える作品を厳選した。現地に足を運んで人物名や撮影場所などの情報を集め、3年がかりで完成させた。
100枚を掲載した写真集は500部を自費出版したが、残りはわずか。多くは地元関係者が買い求め、現在も問い合わせがある。湯浅さんは「相沢さんの思いがこもった写真を多くの人に見てもらいたい。要望が多ければ増刷も検討したい」と話す。
表紙を飾るのは幼い妹を背負う兄の姿を捉えたほほ笑ましい写真だ。同町で牛乳や乳製品を加工販売する豊田乳業工場長の豊田利之さん(37)が小学4、5年だったころの姿。豊田さんは「場所の多くはなくなってしまい辛い気持ちもあるが、子どものころの原風景が詰まっていて懐かしい」と話す。
写真集はA5判109ページで、税込み1000円。