茨城県は那珂川と久慈川の河川整備計画を見直す方針と、地元紙が報道しています。
茨城県は2012年と15年に、那珂川と久慈川の今後30年の治水対策を決定する河川整備計画を策定しましたが、昨年10月に襲来した台風19号の豪雨では、基準地点の流量が河川整備計画の目標流量を上回ったことなどから、見直しが必要になったとのことです。
◆2020年1月16日 茨城新聞
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15790818882559
ー那珂川、久慈川整備、国と県合同で計画見直し県検討委「水系一貫で議論を」ー
台風19号で氾濫した那珂川、久慈川について、県河川整備計画検討委員会(委員長・武若聡筑波大システム情報系教授)は15日、県庁で委員会を開き、現行の県河川整備計画を見直す方針を決めた。国管哩と県管理の区間を分けず「水系一貫での議論が必要」と結論付け、国の有識者会議と合同で計画見直しを進めていく。本年度内にも合同の会議を開催する方針。
県河川課によると、県の那珂川圈域河川整備計画は2012年に圈域内全ての県管理区間(48河川)を対象に策定し、久慈川圈域河川整備計画は15年に圈域内の全ての県管理区間(33河川)を対象に策定した。それぞれ、流域の市街化動向や河川の重要度を勘
案した河川整備計画が示されている。対象期間は両計画ともおおむね30年だが、台風19号の洪水では、基準地点の流量が国の現行整備計画の目標流量を上回ったことなとから、見直しが必要と判断した。
委員からは「県は県、国は国でといった従来通りのやり方では問題を解決できない」「国と県だけでなく、上流の栃木県とも川の在り方を研究する心要がある」「堤防かさ上げや河道掘削による流量確保だけでは対応できない時代、ハードだけでなくソフトも一体で進めていく対策が必要」などの意見が出た。
昨年12月に開かれた国の有識者会議でも、国の現行河川整備計画を見直す方針を決定しており、「水系一貫」「県と連携」での検討の必要性について意見が出ていた。(三次豪)
◆2020年1月16日 東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/202001/CK2020011602000159.html
ー河川整備計画見直し 台風19号被害 久慈・那珂川ー
有識者らでつくる県の河川整備計画検討委員会(委員長・武若聡筑波大システム情報系教授)は十五日、県庁で会合を開き、昨年の台風19号の被害を踏まえて、久慈川と那珂川の両河川整備計画を見直すことを決めた。見直しに当たっては、国の有識者会議と合同で議論を進めていく。
県は管理する久慈川、那珂川の流域について、それぞれ二〇一五年と一二年に整備計画を策定。久慈川では本川で十年に一度の洪水に、那珂川流域では藤井川で六十年に一度の洪水に備えるなどの整備を計画していた。
しかし、19号の豪雨で氾濫箇所が相次ぎ、見直しが必要になり、出席した水利や環境などの専門委員らから異論は出なかった。
また、「今までのように国、県がそれぞれのやり方で整備をしていては問題の解決にならない」との意見があり、国の会議でも「水系一貫で検討すべきだ」との意見が出たことを踏まえ、会議の合同開催で議論することが了承された。次回の日程は未定としている。 (鈴木学)