さる11月12日、蒲島郁夫・熊本県知事は、球磨川の治水対策の方向性について、県議会各会派から意見を聴きました。
関連記事をお伝えします。2009年に川辺川ダム中止を表明した民主党の流れをくむ立憲民主党の濱田大造議員は、「(発電などに用途を広げる)多目的ダムでやるべきだ」と主張しているとのことです。ダム事業の問題に真剣に取り組んだことがあるのか疑問です。
◆2020年11月13日 熊本日日新聞
https://this.kiji.is/699748351432180833?c=39546741839462401
ー球磨川治水「ダム選択を」「住民投票を」 熊本県議会各派が意見ー
蒲島郁夫熊本県知事は12日、7月豪雨で氾濫した球磨川の治水対策の方向性について、県議会各会派から意見を聴いた。流域住民らを対象とした意見聴取の最終日。最大会派の自民党県議団からは、川辺川ダムを有力な選択肢とするよう求める声が相次ぐ一方、くまもと民主連合は住民投票の実施を求めた。
自民党(37人)の前川收氏(菊池市区)は、川辺川ダムが存在した場合、人吉市の浸水面積は6割減少したとする国の推計に触れ、「環境への影響に配慮しながら、(住民と一体で取り組む)流域治水の手法としてダムを選んでほしい」と述べた。
自民の松田三郎氏(球磨郡区)も、県営市房ダム(水上村)の治水効果を強調した上で「川辺川ダムを選択肢から外すのは非現実的だ。賢明な判断をお願いする」と後押しした。
これに対し、第2会派のくまもと民主連合(4人)は、政策決定に向けたプロセスに疑問を投げ掛けた。同会派の鎌田聡氏(熊本市2区)は、県と国土交通省、流域市町村がメンバーの豪雨検証委員会について「川辺川ダムの議論に終始し、民意を動かそうとしたのではないか」と指摘し、「民意を正確に把握するために住民投票をやるべきだ」と訴えた。
共産党の山本伸裕氏(同市1区)は「ダムの危険性、弊害、限界の検討が不十分だ」と指摘した。
公明党県議団(3人)の城下広作氏(同市1区)は「流域治水にしっかり取り組んでほしい」としたが、ダムの是非には触れなかった。立憲民主党の濱田大造氏(同市1区)は「(発電などに用途を広げる)多目的ダムでやるべきだ」と主張した。
10月15日に始まった意見聴取会は計30回開かれ、7月豪雨被災地の住民や関係団体、首長、有識者ら延べ467人が発言した。
蒲島知事は全日程の終了後、県庁で会見。自身が川辺川ダム計画を白紙撤回した2008年当時と比較し、「民意は大きく動いている。川辺川ダム計画の長い歴史を考慮し、責任を持って治水の方向性を決断する」と述べた。
知事は、治水専用の川辺川ダム建設容認を含めた「流域治水」を最有力候補として検討を進めており、県議会で19日に正式表明する見通し。(高宗亮輔)
◆2020年11月13日 毎日新聞熊本版
https://mainichi.jp/articles/20201113/ddl/k43/040/299000c
ー九州豪雨 球磨川治水 「ダム」に県議ら賛否 知事、意見聴取終了 19日に方針表明ー
7月の九州豪雨で氾濫した球磨川の治水対策について、熊本県の蒲島郁夫知事は12日、県議から意見聴取した。自民党県議は「川辺川ダムは有力な選択肢」と訴え、非自民の県議からはダムによらない治水などを求める声が上がった。
10月15日に始まった知事による意見聴取は、30回で住民や団体代表、有識者、流域市町村長ら延べ496人が参加し、この日で終了。知事は19日の県議会全員協議会で治水方針を示すとみられる。
自民党県連会長の前川收県議は「(流域全体で被害を防ぐ)流域治水の中で最も有効なものを造るべきで、その一つとして川辺川ダムが重要な要素だ」と主張。一部住民からダム建設の是非を問う住民投票を求める声が上がっていることについては「最終的に判断するのは政治家だ」として否定的な考えを示した。
一方、非自民のくまもと民主連合の鎌田聡県議は「民意を正確に把握するために住民投票をすべきだ」とし、「ダムによらない治水を追求してほしい」と訴えた。【城島勇人、清水晃平】