2018年7月の西日本豪雨では、野村ダムの放流によってダム直下の愛媛県西予市野村町では大水害となりました。この時の被災者向けの災害公営住宅がようやく一部完成したとのニュースが流れています。2年半かかって一部完成ですから、被災者は大変です。
◆2021年3月7日 毎日新聞愛媛版
https://mainichi.jp/articles/20210307/ddl/k38/040/287000c
ー被災者向け公営住宅、入居開始 「やっと前進」安堵 コロナで遅れ…集合住宅も建設中 西予ー
2018年夏の西日本豪雨で大規模な浸水があった西予市で、住宅の自力再建が難しい被災者向けの災害公営住宅が一部完成し、1月から入居が始まった。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり工期が延び、平成最悪の水害から2年半かかった。岡山と広島でも整備や入居が進んでおり、3県で300戸以上となる。
「やっと一歩前進。復興はこれからです」。西予市の災害公営住宅に入った那須重喜さん(81)が安堵(あんど)の表情を見せた。木造平屋の3LDKで約78平方メートル。建材に使われた地元産ヒノキの香りがほのかに漂う室内で2月、趣味のクロスワードパズルを解きながらくつろいでいた。
食品会社を退職し約10年前、三重県から故郷の西予市に家族2人と一緒に戻った。18年7月7日。豪雨で容量が限界に迫った野村ダム(西予市)と鹿野川ダム(大洲市)の緊急放流後、肱川が氾濫し、川沿いの一戸建ての自宅2階にまで水が上がった。思い出の写真、自慢のCDコレクション……。「お金に換えられない大事な物全て」が濁流にのみ込まれた。
「人命を守るダムが家を流すなんて」。緊急放流を巡り、被災者らが国などに損害賠償を求めた集団訴訟の原告の一人となった。