2018年7月の西日本豪雨では高梁川支流の小田川が大氾濫し、50名を超える方が亡くなりました。
被災した倉敷市真備町地区の住民らが国などに損害賠償を求めた裁判の第2回口頭弁論が岡山地裁でありました。
西日本豪雨の真備水害訴訟は、先に始まったこの裁判のほかに、6月に提訴された別の住民の裁判も並行して進められます。
水害訴訟は被災者住民にとって行政の瑕疵を立証するというハードルが極めて高く、大変難しい裁判と言われますが、国が小田川の付け替え工事を半世紀前に計画しながら放置した問題が指摘される中、二つの裁判を合わせると300人以上に上る原告の訴えに対して、司法がどのように対応するか注目されます。
〈関連ページ〉➡「西日本豪雨被災 倉敷市真備水害訴訟 被災住民ら追加提訴」
◆2021年7月7日 瀬戸内海放送
https://news.ksb.co.jp/article/14389397
ー真備水害訴訟 第2回口頭弁論で原告が全国の河川改修計画などの提出求めるー
西日本豪雨で被災した岡山県倉敷市真備町の住民らが、行政の不備が水害を引き起こしたとして国などに損害賠償を求めた裁判です。7日の第2回口頭弁論で原告は、堤防工事の遅れを改めて指摘しました。
倉敷市では西日本豪雨で災害関連死23人を含めた75人が犠牲になりました。
訴状によりますと原告49人が、国、岡山県、倉敷市ダムを管理する中国電力に、合わせて約10億2000万円の損害賠償を求めています。
原告側は7日の第2回口頭弁論で小田川の堤防の改修工事が遅れていたと指摘し、国などに対して全国の一級河川の改修計画などの提出を求めました。
これまでの裁判で被告側は損害賠償の責任はないとして争う姿勢を示しています。
◆2021年7月7日 山陽新聞
https://www.sanyonews.jp/kikaku/news_detail/1149421
ーダム事前放流 協議の有無追及 真備住民ら集団訴訟 地裁口頭弁論ー
西日本豪雨で被災した倉敷市真備町地区の住民ら49人が、決壊した河川やダムの管理が不十分だったとして、国などに損害賠償を求めた集団訴訟の口頭弁論が7日、岡山地裁であった。原告側は、新成羽川ダム(高梁市)を管理する中国電力(広島市)と国が事前放流についてあらかじめ協議したかなど被告側に釈明を求めた。
事前放流は、予想される大雨の前に放水して貯水容量を増やす操作。原告側は、適切な放流がなく水害が生じたと訴えており、「(協議などを)行っていないとすれば理由は何か」と追及した。国と中電側は、釈明を検討する姿勢を示した。
また、小田川の支流・末政川下流部は、堤防の切れ目を板でふさぐ有井橋(同町有井)の「陸閘(りっこう)」を管理する倉敷市または県の運用が不適切で決壊したとする原告側の主張には、市と県の双方が「管理者ではなく責任はない」とした。