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愛媛県大洲市の山鳥坂ダム、建設中止求め地元男性が国を提訴

 国土交通省四国地方整備局が建設事業を進めている山鳥坂(やまとさか)ダムの建設中止を求め、ダムが建設される肱川流域の住民が国を提訴したとのニュースが流れています。
 愛媛県を流れる肱川では、2018年の西日本豪雨の際、国の二つの巨大ダムが短時間で満杯となってしまい、緊急放流を行った後、大水害となりました。水害被災者の遺族が国を提訴した裁判は現在係争中ですが、国は同じ肱川水系で三番目の直轄ダムとなる山鳥坂ダムの建設に邁進しています。

 山鳥坂ダムは40年近く前に計画されましたが、2021年にダム本体の建設予定地が400メートル上流に変更されることになりました。この時の計画変更により、工期が6年延長され、現時点での完成予定は2032年度です。

〈参考ページ〉
〇『ダムは誰のために ―山鳥坂ダム 40年目の予定地変更―』
 第31回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品(制作:テレビ愛媛)

「山鳥坂ダム計画変更」(工期6年延長、事業費470億円増)」

◆2023年9月13日 NHK愛媛放送局
https://www3.nhk.or.jp/matsuyama-news/20230913/8000016786.html
ー大洲市の山鳥坂ダム 建設中止求め地元男性が国を提訴ー

 大洲市に建設中の山鳥坂ダムについて、「洪水を防ぐ効果が乏しく、住民との合意もないまま進められている」として地元の男性が国に建設の中止などを求める訴えを起こしました。

 山鳥坂ダムは大洲市の肱川の支流、河辺川で、流域の治水対策を目的に国がおよそ1320億円の費用を計上して建設中で、9年後の完成が予定されています。
 この山鳥坂ダムについて、大洲市に住む男性が建設の中止を求める訴えを13日までに松山地方裁判所に起こしました。
 訴状によりますと、山鳥坂ダムは多額の建設費が必要な一方で、建設予定地の地形から考えて洪水を防ぐ効果が低いなどと指摘しています。
 そのうえで国は反対を続けている流域の住民の意向を無視して、住民との合意がないまま進めているとして、建設の中止を求めています。
 訴えを起こした男性は「多くの住民が『新たなダムは必要ない』と考えているが、国は耳を貸すことなく事業を進めてきた。改めてそうした声を訴えていく必要がある」と話しています。

 一方、四国地方整備局・山鳥坂ダム工事事務所の柴田治信技術副所長はは「訴状が届いていないのでコメントできないが、これまでも住民には工事について丁寧な説明を心がけてきた」と話しています。