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立野ダムの試験湛水、流木等の撤去のため延期に

 国土交通省が熊本地震(2016年)の被災地で進めてきた立野ダム事業は、ダム堤が5月に完成しています。今月1日から試験湛水が開始される予定でしたが、「7月の大雨でダム上流側の基礎地盤を改良する工事現場周辺に流木やごみが流入。撤去に時間がかかり、工事に遅れが生じた(立野ダム工事事務所の説明、熊本日日新聞より)」ため、試験湛水の開始を延期するとのことです。

 立野ダムはダムの堤体に三つの放流口を設けた治水専用のダムです。通常は放流口を通して川の水が流れますが、洪水の際には放流口を流れきれない川の水が自然にたまることになっています。事業の最終工程である試験湛水では、本体の穴をふさいで最高水位まで貯水し、ダム本体や基礎地盤、貯水域周辺に問題がないかを確認して事業が終了します。
 立野ダム事業の工期は昨年、2022年度から2023年度に延期されました。国土交通省の説明によれば、今回の試験湛水開始延期があっても工期はそのままだということです。

◆2023年10月31日 熊本朝日放送
https://www.kab.co.jp/news/?NewsData=202310318236.php&path=video/202310318236.mp4&mode=1
ー立野ダムの試験湛水が延期 流木撤去で工事に遅れー

 1日に予定していた、立野ダムの試験湛水を延期すると、国土交通省の立野ダム工事事務所が発表しました。立野ダムは、白川下流域の洪水防止を目的とした流水型ダムです。
 試験湛水は最高水位まで水をため、ダム本体や周辺の安全性を確認する、完成に向けた最終工程です。
 工事事務所によると、7月の大雨で上流側にある基礎工事の現場周辺に、流木やごみが流れ込み、撤去作業で工事に遅れが生じたということです。
 試験湛水の実施時期については、専門家らの意見を踏まえ改めて決めますが、来年3月の完成予定に変更はないとしています。

◆2023年10月30日 熊本日日新聞
ー立野ダム、試験湛水を延期 7月大雨で関連工事に遅れー

 国土交通省立野ダム工事事務所は30日、白川上流にほぼ完成している立野ダム(南阿蘇村、大津町)で11月1日から予定していた試験湛水[たんすい]を延期すると発表した。7月の大雨の影響で、残りの関連工事に遅れが出たため。延期後の時期は未定だが、本年度中に実施するとしている。..(以下略)

◆2023年10月31日 朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/ASRBZ74G2RBWTLVB002.html
ー立野ダムの試験湛水を延期 来年4月完工予定は変わらずー

 国土交通省九州地方整備局(九地整)は30日、熊本県の白川上流の立野峡谷で建設中の立野ダムの試験湛水(たんすい)を延期すると発表した。当初は11月に予定していた。実施時期は再検討するが、来年4月のダム完工予定は変わらないとしている。(以下略)