長崎県が強行する石木ダム事業では、現地住民13世帯と支援者の反対運動が続いています。長崎県は法的には行政代執行を行う権利がありますが、世論の反発もあり、踏み出せない状況です。
2022年に就任した大石賢吾知事は、当初はダム予定地に自ら赴き、住民と対話することでダム受け入れを求める方針だったようですが、ダム推進一辺倒では対話は成り立たないと住民から拒絶されて以降、ダム予定地のある川棚町を通して、行政の縦の関係で住民との接点を探っているようです。こうした場合、小さな町が県の意向に逆らい続けることは困難な場合が多く、川棚町長自体がダム推進の立場であるのですが、報道によれば、行政代執行に反発する世論を受けて、長崎県への申し入れの中では「行政代執行は望んでいない」と伝えているようです。
◆2024年2月17日 長崎新聞
https://nordot.app/1131397199029649662?c=39546741839462401
ー川棚町長、石木ダム建設の住民との対話による解決を知事に要望ー
長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、波戸勇則町長は16日、反対住民との話し合いによる早期解決や地域振興を要望する文書を大石賢吾知事に提出したと明らかにした。
同日の町議会石木ダム対策調査特別委員会で、町長は「建設予定地への行政代執行は望んでいない。話し合いでの解決を望んでいる」と改めて強調。「(反対する)13世帯の方々のご協力をいただき建設および地域振興策の解決を、と思っている」と述べた。
知事と住民の対話は一昨年9月を最後に途絶えている。今年1月、町長が抗議の座り込み現場や住民宅に出向き、対話を再開するよう要請したが、住民側は応じなかった。
これを受け、町長は今月9日に県庁を訪れ、知事と面談。「住民の思い」を伝え、対話再開を求めた。16日の特別委では、知事の返答内容について「住民に直接回答があると思う」と述べるにとどめた。