八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダム周遊する路線バス、4月運行開始

  八ッ場ダムの水没地にあった川原湯温泉駅は、温泉街も名勝・吾妻峡も徒歩圏で、東京・上野始発の特急列車が一日に何度も停車し、シーズン中は多くの観光客で賑わいました。巨額のダム事業により、水没地にあった吾妻川沿いの集落も駅もダム湖畔に移転し、両岸をまたぐ巨大な湖面橋が四本も建設されましたが、関東方面から列車でこのエリアを訪れる観光客にとってはかえって不便になりました。
 八ッ場ダム事業では、犠牲になる水没地域の新たな振興策として、ダム湖観光をめざした一大レジャーエリアがつくられましたが、湖畔に点在する地域振興施設をめぐる公共交通はなく、採算がとれている施設は「道の駅」など少数です。
 今春、民間会社が運行を開始するという路線バスが地域の活性化につながるでしょうか。

◆2024年3月15日 上毛新聞
 https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/433333
ー観光客と地域住民の「足」に 八ツ場ダム(群馬・長野原町)周遊の路線バスが4月に運行スタート 資金の一部、クラファンで募るー

  八ツ場ダム(群馬県長野原町)エリアを周遊する路線バス「八ツ場ぐるりん」が、4月27日から運行を開始する。事業者は、高速バスや同ダム湖での水陸両用バス運行を手がける「Dts creation(クリエーション)」(同町大津、冨沢裕二社長)。ダム周辺には2次交通による移動手段が少なく、車のない旅行者が観光スポットを巡ることが難しかった。周遊バス運行で地域の観光振興と交通問題の解決につなげるプロジェクトで、資金の一部をクラウドファンディング(CF)で募っている。

 同社によると、バスはJR長野原草津口駅と八ツ場ダムエリアの各観光施設を結ぶ。点検・研修日を除いて毎日運行する予定。湖周辺は路線バスが通っていない地区もあるため、高齢者ら地域住民の「生活の足」にもなる。

 八ツ場ダムは2020年に完成し、一帯は一大レジャーエリアとなった。ただ、玄関口となる長野原草津口駅からの距離は八ツ場湖の駅丸岩まで約3キロ、ダムまで約7キロあり、電車で訪れた人は移動することが難しかった。

 同社は「長野原や八ツ場エリアでの豊かな観光体験を提供したい」と路線バスの運行を決断。都内と草津温泉・八ツ場ダムエリアを結ぶ同社の高速バス「Dts line八ツ場・草津温泉号」や、水陸両用バスと接続し、独自の交通網を確立して利用客の利便性向上につなげる狙いだ。

 CFでは、バス車体購入費やバス停の整備費などの資金の一部について50万円を目標に4月30日まで支援を募っている。返礼品は同社高速バスの80分の1サイズスケールモデル(非売品)や、八ツ場ぐるりんの1日チケットなど。詳細は専用サイト「キャンプファイヤー」に掲載している。

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《参考ページ》クラウドファンディングを募っているキャンプファイヤーのページ
       
       長野原草津口駅〜八ッ場ダムを結ぶ路線バスを開通させ長野原の観光体験を豊かにしたい
       https://camp-fire.jp/projects/view/735162