八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

嶋津暉之さんの初期の仕事ー節水技術の指導による東京都工業用水の減少

 八ッ場ダムをはじめとする水問題に生涯取り組んだ嶋津暉之さんが亡くなって一か月以上がたちました。
 市民運動でお世話になった方たちが市民科学者としての嶋津さんに光を当て、その業績を伝える集会を企画しています。

 八ッ場ダム問題への嶋津さんの取り組みは、東京大学工学部の大学院生であった1960年代後半、利根川上流の水没予定地を訪ねたことがきっかけだったといいます。
 山村を水没させるという究極の地域破壊をどうしたら止められるかー。1970年代に東京都公害局に就職した嶋津さんは、大学院時代のテーマであった節水技術を各工場に普及させることで、都の工業用水を1/3に減少させることに貢献しました。しかしダム計画は止まりませんでした。
 それから半世紀以上が立ち、八ッ場ダムは2020年に運用を開始しました。今や首都圏の水道は水あまりが顕著ですが、その傾向は人口減少時代を迎えてさらに拍車がかかりつつあります。
 近年、国土交通省は本来のダム建設の目的であった「都市用水の開発」(利水)を脇に置き、防災(治水)を前面に出しています。ここでは治水の問題には触れませんが、これも利水と同様、科学的な検証に堪えるものではありません。

 嶋津さんの当初の取り組みについて、ご本人が2009年にまとめた解説スライドを紹介します。故人が技術者の良心をもってダム反対運動を理論で支えるという重責を担うことになった経緯がおわかりいただけるのではないでしょうか。
 以下の文字列をクリックすると全スライドが表示されます。

スライド「水問題原論私論」
 
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