国土交通省東北地方整備局が秋田県で進めている成瀬ダムの建設工事が完成に近いことを地元のテレビ局が報じています。
ニュースでも伝えられているように、「成瀬ダムの総事業費は、1530億円で計画がスタートしたが、人件費や資材費の高騰などで増額され、2600億円まで膨らんで」います。秋田県では、国が成瀬ダムに続き、鳥海ダム事業を推進しています。県内では今年7月にも水害が発生していますが、これら二つのダム事業が完了していたとしても、水害を防ぐことはできませんでした。巨額のダム事業費が治水予算を圧迫し、本来やるべき堤防整備などがなおざりにされていることが水害多発の原因です。
◆2024年11月25日 秋田テレビ
https://www.fnn.jp/articles/-/792453
ー「成瀬ダム」堤体工事98%完了 関係者が節目を祝う 2027度完成に向け建設進む 秋田・東成瀬村ー
秋田県東成瀬村で建設が進む成瀬ダムの本体の工事がほぼ完了し、20日、関係者が工事の節目を祝った。
成瀬ダムは、洪水被害の防止をはじめ、農業用水や水道水の確保、発電などを目的とする多目的ダムで、2027年度に完成予定。2018年から整備が進められていて、ダムの本体・堤体の工事が98%完了した。
20日は関係者が集まり、工事の節目を祝った。
現場では、人手不足や人件費の高騰などに対応するため、自動運転の重機が24時間稼働して工事が進められた。
2024年最後の作業は、石や砂、セメントと水を混ぜた材料を入れ、重機を使って固めた。
成瀬ダムは早ければ2026年の冬ごろに、ダムに問題がないかを確認する試験が始まる予定。
成瀬ダム工事事務所・安部剛事務所長:
「CSGを年内に完成できて非常にうれしく思っている。社会情勢が厳しくて大変なところだが、引き続き事業管理を続けながら、いくらでもコスト縮減に努めて、令和9年度(2027年度)の完成に向けて頑張っていきたい」
なお、成瀬ダムの総事業費は、1530億円で計画がスタートしたが、人件費や資材費の高騰などで増額され、2600億円まで膨らんでいる。
◆2024年9月5日 NHK秋田放送局
https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20240905/6010022274.html
ー成瀬ダムの完成予定 1年遅れに 事業費は約370億円増額ー
東成瀬村で建設が進められている「成瀬ダム」について、国土交通省は、現場で働く作業員の働き方改革や資材費の高騰などを理由として、完成予定を1年遅らせて2027年度とし、事業費をおよそ370億円増額すると発表しました。
東成瀬村の成瀬ダムは、下流での洪水を防ぎ、水を農業や発電に活用するために40年余り前に計画が持ち上がり、建設が進められています。
このダムの建設について国土交通省は、時間外労働の上限規制の影響などを踏まえて、完成予定を今の計画から1年遅らせ2027年度としたうえで、資材費や人件費の高騰などを受けて事業費を370億円ほど増額して、およそ2600億円にすることを決めました。
国が2001年に定めた当初の計画と比べると、完成予定は10年遅れ、事業費は1.7倍近くになっています。
また、秋田県の負担は68億円ほど増えて総額でおよそ460億円となるということです。
国土交通省成瀬ダム工事事務所は「完成に向けて、引き続き品質、安全を確保しつつ、最大限のコスト縮減に取り組む」としています。