八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場湖の駅丸岩、指定管理者変更してリニューアルオープン

 八ッ場ダム事業では、ダム建設事業以外にダムの犠牲になる水没地域の地域振興に多額の予算が投入されました。八ッ場ダムの利水事業に参画し、水道の供給を受ける東京都、埼玉県、千葉県、茨城県、群馬県は水没五地区の各地区に地域振興施設を整備しました。横壁地区に10億4千万円をかけて整備された「湖(みず)の駅丸岩」もその一つです。

湖の駅丸岩

 八ッ場ダムの建設地は首都圏から草津温泉や浅間高原、軽井沢などを訪れる観光客の通り道にあたります。このため、国道沿いの道の駅(林地区)は大賑わいなのですが、「湖の駅」の方は通行客が気がつきにくく、2020年の開業以来赤字が続いてきました。

 各地域振興施設は長野原町が指定する業者が管理することになっています。これまでは同じ横壁地区の住民が立ち上げた会社が管理してきましたが、このほど指定管理者が同じ長野原町内のベンチャー企業、Dts creationに代わり、本日リニューアルオープンするとのことです。Dts creationの業務の主軸は、首都圏と草津温泉を結ぶバスの運行です。好調なバス運行に加え、近年は水陸両用バスなど八ッ場ダムのダム湖観光に力を入れています。はたして草津温泉の隆盛をダム湖観光につなげることができるでしょうか。

◆2025年4月23日 プレスリリース
https://www.atpress.ne.jp/news/433483
ー群馬県八ッ場ダムの観光拠点「八ッ場湖の駅丸岩」が新体制でリニューアルオープン
~地産地消メニューとバス事業のシナジーで地域活性化を推進~

 八ッ場・草津温泉地域発のベンチャー企業、株式会社Dts creation(所在地:群馬県長野原町、代表取締役CEO:冨澤 裕二)は、群馬県長野原町の観光振興施設「八ッ場湖の駅丸岩」の新たな指定管理者に選任され、2025年4月26日(土)にリニューアルオープンいたします。

「八ッ場湖の駅丸岩」は、当社が運行する水陸両用バスの発着所としても機能し、今後は地元農産物を活用した新メニューの提供や、交通インフラとの連携強化を通じて、地域の観光振興と活性化を目指します。

■地域資源の維持と観光振興のために

前事業者の突然の撤退により、指定管理者不在となる可能性が生じた「八ッ場湖の駅丸岩」。このままでは、税金を投入して建設された観光振興施設が十分に活用されず、地域経済や観光の衰退につながる恐れがありました。

当社は、既存の高速バス・貸切バス事業や水陸両用バスの運行実績を活かし、観光振興施設の運営にも地域創生事業部として積極的に参画。町の発展と雇用創出に寄与するため、指定管理者としての役割を担うことを決断しました。

観光業界では、地域資源の維持と活用が全国的な課題となる中、公共交通と観光施設の連携による地域活性化モデルの構築が期待されています。

(中略)

名称         : 八ッ場湖の駅丸岩
リニューアルオープン日: 2025年4月26日(土)
場所         : 群馬県吾妻郡長野原町横壁904-3
アクセス       : 草津温泉から車で20分/長野原草津口駅から周遊バスで10分
営業時間       : 9:00~17:00(不定休)
駐車場        : あり(普通車63台 オートバイ9台 大型バス3台)
URL          : http://mizunoeki.net

写真=湖(みず)の駅丸岩の正面にかかる湖面橋(丸岩大橋)。国土交通省の開示資料によれば、ダム湖の中で丸岩大橋周辺は最も堆砂が進行している。ダム湖の水の色は、ダム堤に近い下流部では青いが、上流端(JR長野原草津口駅前)からこのあたりまでは緑色がかっている。