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川辺川ダム建設めぐり、球磨川漁協組合長、漁業補償交渉受け入れ方針 

◆2025年5月18日 熊本日日新聞
https://kumanichi.com/articles/1775098
ー流水型ダム建設で漁業補償交渉要請へ 国交省 球磨川漁協の要望に回答、条件整ったかー

 川辺川で計画されている治水専用の流水型ダム建設に関し、事業を進める国土交通省が近く、流域の漁業権を持つ球磨川漁協(八代市)に漁業補償交渉を申し入れることが18日、複数の関係者への取材で分かった。同日までに、ダム建設に伴う漁協の11項目の要望に回答し、交渉入りの条件が整ったと判断したとみられる。
 球磨川漁協は、川辺川のダム建設予定地(相良村)を含め、球磨川流域全体の漁業権を持つ。国交省は、河川や生態系に影響を及ぼすダム本体着工を2027年度に予定しており、それまでに漁協との補償協議を終え、工事の同意を得たい考えだ。
 国交省川辺川ダム砂防事務所(相良村)は15日付で、球磨川漁協が3月までに提出した11項目の要望に文書で回答。ダムで隔てられた上流と下流を魚などが行き来できるようにする方策や、環境に対する影響の最小化を目指したダムの構造・運用などを説明した。球磨川漁協の堀川泰注組合長は、熊日の取材に対し「かなり具体的な回答をもらった。納得できる内容だ」と評価。(以下略)

◆2025年5月20日 熊本朝日放送
https://news.yahoo.co.jp/articles/1929537e0dd79b55d5bfaa4497642212c03b3d9d
ー流水型ダム計画めぐり漁業補償交渉受け入れる方針 球磨川漁協ー

 国が川辺川に建設予定の流水型ダムをめぐり、球磨川漁協は、国土交通省から漁業補償交渉の申し入れがあれば、受け入れる方針を明らかにしました。

 川辺川流域に漁業権を持つ球磨川漁協は、これまでに九州地方整備局川辺川ダム砂防事務所に対して、ダム計画に関する11項目の要望書を提出。魚が上流と下流を行き来できる「魚道」の整備や、流入する土砂を減らすための山林整備などが主な内容でした。

 これに対し、川辺川ダム砂防事務所は、15日に文書で回答し、環境への負荷を減らす取り組みを説明したということです。

 球磨川漁協の堀川泰注組合長は「満足のいく回答だった」と評価。ダム建設によって、損害が出る漁業者に金銭補償する漁業補償の交渉申し入れが国交省からあった場合は、協議を始める考えを明らかにしました。

 川辺川ダム砂防事務所は「漁協との協議は個別の話なので、お答えできない」としています。

 水の流れに逆らって遡上するアユ。川辺川ダム砂防事務所が公開した実験の映像です。流水型ダムをめぐり、国土交通省は去年10月、環境アセスメントの最終段階となる環境影響評価レポートを公表。今回の実験は、レポートに基づく環境保全措置の一つとして、4月と5月に1回ずつ旧ダム計画で川辺川沿いに整備された長さ約575メートルの仮排水路トンネルを使用して行われました。

 2回の実験では、下流側のトンネル出口で球磨川産のアユを放流し、上流側のトンネル入口までアユが遡上したことが確認されたということです。

 川辺川ダム砂防事務所は、今後、トンネル内の水の流れの速さを抑制する対策なども検討するとしています。