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長野原町長選、新人2氏が出馬正式表明

 八ッ場ダムを抱える長野原町では、来年4月に町長選が予定されています。現職の萩原睦男町長は現在三期目ですが、次の町長選には不出馬を表明しており、新たに二人の新人が出馬を表明したことが報道されています。これまでの町長選では、町政の最大の課題である八ッ場ダム事業による生活再建・地域振興が取り上げられてきましたが、地元紙の以下の記事では触れられていません。

 かつては長野原町の中心であった吾妻川沿いの集落は、八ッ場ダムによってその多くが水没し、人口が減少しました。上流の草津温泉が年間入り込み客数400万人を超え、活況を呈していることから、長野原町では観光客の立ち寄り先としてダム湖観光に活路を見出そうとしています。

◆2025年12月20日 上毛新聞
ー長野原町長選 新人2氏が出馬正式表明ー

 任期満了に伴う長野原町長選(来年4月14日告示、19日投開票)で、ともに新人で、町議の星河明彦氏(61)=林=と、元会社社長の山口次夫氏(67)=長野原=が19日、渋川市役所で記者会見を開き、それぞれ無所属で出馬を正式に表明した。3期目の現職、萩原睦男氏(54)=応桑=は町の備品や公金を違法に得たなどとして町職員(懲戒免職)が逮捕された事件(有罪確定)の責任を取るとして、昨年12月に不出馬を表明している。

 星河氏は「町議を2期務めて感じた課題をスピード感を持って実行し、安心して暮らし続けられる町にしたい」と出馬の理由を述べた。人口減少時代に合わせた行政組織の再編、水道事業の再構築、地域文化の継承に取り組むとした。

 山口氏は「町には変革と挑戦が必要。水道設備業を45年続けてきた民間の視点から、実情に合わせた行政を進めたい」と出馬理由を説明。小中学生向けの町営学習塾の設置、インフラの整備、行政の透明性確保に力を入れたいとした。

 職員の公金横領事件について、星河氏は「不正を発見できなかった仕組みには問題があり、見直す。警察が立件しなかった部分は再検証の必要はない」とした。山口氏は「原因が分からないとまた不正が起こる。今も疑問に感じる町民はいる。第三者委員会で再調査すべきだ」と話した。