関東地方では久しぶりの雨が降っています。
この冬は、日本海側で災害級の豪雪がある一方で、太平洋側は極端な少雨に悩まされてきました。十分すぎるほどの余剰水源がある利根川水系では問題とはなっていませんが、全国各地からダム湖の貯水位低下と渇水のニュースが発信されています。
「ため池」という言葉があるように、昔から渇水に備えて水を貯める施設は各地でつくられてきました。冬場にダム湖の貯水位低下が問題となるのは、人口増加に伴って建設された多くのダムが都市用水の供給という役割を担っているためです。わが国の都市用水は、地下水の使用を減らし、ダムを水源とする川の水を取水する方向で整備されてきました。
八ッ場ダムは昨夏、水位低下が注目され、ニュースにもなりました。今冬は貯水率が30%を切っていますが、昨夏のように沈んでいたJR吾妻線の線路などが露わになる状況ではありません。これは、夏場と冬場でもともとの貯水容量が大きく異なるためです。同じ貯水率でも分母が違うのです。
八ッ場ダムのような多目的ダムは、水を貯めて使う「利水」と、水を貯めるスペースを空けて洪水に備える「治水」の二つの相反する役割を一つのダムで担っています。利水容量と治水容量はダム計画の段階であらかじめ定められています。八ッ場ダムは「首都圏の水がめ」と呼ばれてきましたが、実は治水容量が6500万㎥、利水容量が2500万㎥と、「水がめ」(利水容量)の割合はそれほど大きくありません。貯水率は貯水容量を分母として計算しますが、洪水期とされる夏場と、非洪水期とされる冬場では、分母となる貯水容量が異なります。現在の有効貯水貯水容量は9000万㎥(治水容量が含まれる)ですが、洪水期とされる夏場は治水容量6500万㎥が最初から貯水容量に含まれていません。
夏から春にかけて、田んぼに水を潤す農業用水が必要となり、都市用水の需要も高まります。春先の降雨や雪解け水で、ダムの貯水位はどれだけ上昇するでしょうか?
◆2026年2月24日 NHK
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015059781000
ー各地のダムで貯水率が低い状況続く 太平洋側中心に少雨でー
関東から九州の太平洋側を中心に雨の少ない状態が続くなか、各地のダムは貯水率が低い状況が続いていて、17の河川などで渇水対策が行われています。
国土交通省によりますと、24日時点のダムの貯水率は
▽愛知県の宇連ダムと愛媛県の鹿野川ダムで2%
▽奈良県の大滝ダムで6%
▽大分県の大山ダムで14%
▽徳島県の長安口ダムで19%
▽高知県の大渡ダムで20%
▽静岡県の佐久間ダムで23%
▽群馬県の矢木沢ダムで24%
▽神奈川県の宮ヶ瀬ダムで34%
などとなっています。
また、びわ湖でも水位が低下していて、24日の時点で基準となる水位から52センチ下がっているということです。
このため、国が管理する関東から九州にかけての17の河川と、びわ湖の流域では、渇水対策が行われています。
このうち、愛知県の豊川と高知県の仁淀川、香川県の吉野川、福岡県の筑後川では、流域の一部で水道水の圧力を抑える減圧給水が行われているほか、静岡県の天竜川と奈良県の木津川、山口県の佐波川、佐賀県の嘉瀬川では取水制限が実施されています。
国土交通省は「渇水情報連絡室」を設置し、節水への協力を呼びかけています。
◆2026年2月12日 NHK
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015049851000
ー高知市 約50日ぶり雨もダム貯水率は依然低く 節水呼びかけー
前線を伴った低気圧の影響で、高知県内では10日から11日にかけて広い範囲で雨が降り、高知市でもおよそ50日ぶりに雨が観測されましたが、周辺のダムの貯水率は依然として低く、市は引き続き市民に節水を呼びかけています。
気象台によりますと、前線を伴った低気圧の影響で、高知県内では10日から11日にかけて広い範囲で雨が降り、高知市でも降り始めの10日夕方から11日夕方までに8ミリの雨が降りました。
高知市で雨が観測されたのは、去年12月21日以来、およそ50日ぶりだということです。
一方、高知市などに水を供給している
▽仁淀川上流の大渡ダムの貯水率は、12日午前0時の時点で3%
▽鏡川上流の鏡ダムの貯水率は、12日午後3時の時点で32.39%となっていて
いずれも低い状態が続いています。
高知市は深刻な渇水が続いているとして、市民に対して
▽洗濯の回数を減らしてまとめて洗うこと
▽風呂でシャワーの水を出しっぱなしにしないこと
▽食器は紙などで油を拭き取ってから洗うこと
など引き続き節水への協力を呼びかけています。
「減圧給水」始まる 臨時給水所の開設も
高知市は、12日から水道水の水圧を下げる「減圧給水」を始めました。
市によりますと、市内で「減圧給水」が行われるのは1998年以来で、市は水が出にくくなるおそれがある5地域で、臨時の給水所を開設する作業を進めています。
このうち、高知市北竹島町の市営住宅の敷地では、12日朝、市の職員が給水栓にホースをつないで蛇口から水が出るか確認したり、飲用水に適しているかどうか調べたりしていました。
市は12日中に5か所すべての給水所を開設することにしていて、周辺の住民に対して、水の出が悪くなるなどした場合には水を入れる容器を持参のうえ、給水所を利用してほしいと呼びかけています。
◆2026年2月24日 FNNプライムオンライン (*神奈川県の宮ケ瀬ダムのニュース)
https://news.jp/i/1398912149352612260?c=768367547562557440
ーダムの渇水で観光客増加 マナー違反続出!…-
“30年に一度”といわれる記録的小雨の影響で、全国的にダムや湖などの貯水率が低下。その影響で、水の底に沈んでいたかつての集落などが姿を現す現象が起きています。
めったに見ることのできないその光景を一目見ようと、多くの人がダムを訪れる中、マナーを守って観光する人がいる一方で、危険な行動をする人が後を絶たないといいます。
一体何が起こっているのか。『サン!シャイン』は、急な観光客に戸惑う“渇水ダム”を取材しました。
“渇水”で観光客が増加 警察が出動する事態に
首都圏最大級のダム貯水池、神奈川県にある「宮ヶ瀬ダム」。23日の時点での貯水率は、34%まで落ち込んでいます。
しかし、水が減ったことで、約40年ぶりに谷底にあったかつての集落が見られるということで、この日も多くの観光客が訪れていました。
田中良幸リポーター:
かなり珍しい光景ということもありまして、上の橋の方など見ると、多くの方がつめかけていて、この様子を見ていますね。
しかし、訪れる人が増えすぎたためか、周辺には違法な路上駐車が。
田中良幸リポーター:
すぐ目の前の道路自体はこれ、片側一車線の道路になっており、左側は駐車禁止の道路標識がありますけど、そこに何台も車が止まっていますね。
さらに、観光客が危険な横断を行って、交通事故になりそうな場面も見られました。
周辺では、警察が出動し注意を呼びかける事態に。
警察「路上駐車ただちにどけてください!この道は駐車できません!車の運転者移動お願いします」
危険な場所に侵入…崩落の可能性も
他にも、“渇水”により観光客が増えて、問題が起きている場所があると聞きつけ、やってきたのは、神奈川・相模原市にある「津久井湖」。
生活用水などを供給するダム湖である津久井湖も渇水状態に陥っており、むき出しになった湖底を見ようと、多くの観光客が集まっていました。
渇水を見に来た観光客:
ダムの貯水率の低さを見にきました。見た感じ少ないって感じですね、すごいですね。
多くの人がマナーを守り安全に観光していますが、中には、危険な場所に立ち入る人も…。津久井湖周辺で働く人は、いつ大きな事故が起きるかと不安な日々を送っています。
貸しボート店のスタッフ:
実際によく死にかけているぐらいの人もいるんで。もう、この1週間の間何回も。だから、ちょいちょい見かけては声かけているんですけどね…。
一部の観光客が崖のようになった、危険な場所に立ち入る姿を度々見かけると話すのは、貸しボート店のスタッフ。
貸しボート店のスタッフ:
あそこがね、一番崩落が危ない。今、彼らが立っているところは普段水なんですよ。(土が)乗っかっているだけなんで。
実際に取材中にも、貸しボート店のスタッフが危険な場所にいる観光客に、「おい!死んじまうよ!危ないぞ!みんな湖落っこちてるからな!」と大きな声で注意を促す場面も…。スタッフの声が届いたのか、まもなく人の姿はなくなりました。
貸しボート店のスタッフ:
あそこの方は、ヘドロの蓄積があって、そこにおばあちゃんがきて首まで浸かっちゃったらしい。手がなかったら、ここまで(泥が顔まで)来ていたら、窒息死していたよ。
神奈川県も、立ち入り禁止とはしていないものの、「現在、津久井湖の水位低下により一部湖底が露出し、湖岸には急な傾斜地となっている場所もあり、滑落の危険がありますので注意してください」と、傾斜地などでの滑落に注意を呼びかける事態に発展しています。
しかし、周辺を取材すると、危険な場所で釣りをする人や、スマホを両手で持った不安定な状態で、崖で写真撮影する観光客の姿などが見られました。