八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

国交省記者発表ー鉄鋼スラグに関する土壌の分析試験結果ーについて

 昨日、国交省関東地方整備局が鉄鋼スラグに関する土壌の分析結果について記者発表しました。
 http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/kyoku_00000682.html

 ●記者発表資料
  http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000621465.pdf

 この記者発表に関する厳しい考察が市民オンブズマン群馬のブログに掲載されています。
 http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1594.html

 八ッ場ダム事業に関する部分を一部転載します。

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 まず、第一の疑問点として、八ッ場ダム工事事務所の発注工事においては、相変わらず、「盛り土」について、有害スラグの分析調査をしていない点が挙げられます。「盛り土」のなかのスラグを分析していないのですから、当然、直下の土壌分析も行われません。八ッ場ダム工事事務所では、「盛り土」について、徹底無視を決め込むつもりなのでしょうか? ちなみに当会では、佐藤建設工業関係者から「長野原駅前の盛り土にスラグを運んだ」という証言を聞いています。
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 関連記事を転載します。

◆2015年4月25日 毎日新聞群馬版
 http://mainichi.jp/area/gunma/news/20150425ddlk10040208000c.html
 ー有害物質:大同特殊鋼渋川工場、鉄鋼スラグ問題 国道17号4工事で、土壌から基準超フッ素 /群馬ー

 大同特殊鋼渋川工場から出た鉄鋼スラグを巡る問題で、国土交通省関東地方整備局は24日、環境基準を超える有害物質を含むスラグとみられる砕石が使われていた工事のうち、国道17号関連の4工事の周辺土壌から、土壌汚染対策法の基準を上回るフッ素の溶出が確認されたと発表した。

 国交省によると、これまでの調査で、国道17号や八ッ場ダム関連の計27工事で使われたスラグとみられる砕石から環境基準を超える有害物質を検出。今回の土壌分析では27工事のうち22工事について、土壌汚染対策法に基づき、材料直下の土壌の有害物質の含有量などを調査した。

 その結果、国道17号関連の計4工事でフッ素の溶出量が基準の1・05〜7倍を記録。このうち2工事については土地所有者らと相談して今後撤去する。残りの2工事は対応を検討中という。

 また砕石から基準を上回る有害物質が検出された八ッ場ダム関連の工事のうち計3工事では既に材料の撤去が完了しており、周辺土壌から基準を超えるフッ素は検出されなかったという。

 県も24日、大同に出荷記録がある工事の追跡調査により県工事として新たに6工事でスラグを含む材料の使用が確認されたと発表した。

 そのうちみなかみ町の県道1工事の材料から環境基準を超えるフッ素を検出。周辺土壌のフッ素は基準値内だった。【角田直哉】

◆2015年4月25日 上毛新聞
ースラグ問題で国交省発表 国道17号 4工事で基準値超ー

 鉄鋼メーカー、大同特殊鋼渋川工場(渋川市)のスラグ問題で、国土交通省関東地方整備局は24日、有害物質の含有量が基準値を上回る採石などの材料が使われていた22工事について土壌汚染の分析結果をした結果、4工事で環境基準値を超えるフッ素(溶出量)が検出されたと発表した。場所は前橋、渋川、吉岡各市町の国道17号、2工事は材料を撤去し、残る2工事は県や前橋市などと協議して対応を決める。

 4工事以外の工事のうち3工事は八ッ場ダム(長野原町)事業関連で、うち2工事は代替地。この3工事に関し同局はすでに材料を撤去し、その際に分析試験をしたが、フッ素の溶出量と含有量は基準値内だった。22工事以外の同ダム関連工事についての分析試験は今後材料を撤去するときに実施する。撤去などの費用は大同特殊鋼が負担する方向。
 一方、県は同日、スラグを使った県発注の工事場所が新たに6工事あったと発表した。県道などで、うち1工事の材料が基準値超だったが、土壌調査では環境基準を下回った。

◆2015年5月3日 東京新聞群馬版
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20150503/CK2015050302000156.html
ー土壌から基準超フッ素 前橋、渋川両市など 国道4工事でー

 県内の工事などで建築資材「鉄鋼スラグ」から有害物質が検出された問題で、前橋、渋川両市と吉岡町にまたがる国道の四工事で、土壌から環境基準を超える「フッ素」が検出されたことが国土交通省関東地方整備局の調査で分かった。
 鉄鋼スラグは鉄の精製時に排出される砂利状の再利用向け資材。大同特殊鋼渋川工場が大半を製造した。フッ素は人体に入ると骨折の恐れが増すとされる。
 同整備局によると、鉄鋼スラグ自体が環境基準を超えた二十二工事を対象に、スラグ直下の土壌を水に溶かして分析し、四工事の土壌から環境基準の最大七倍のフッ素が検出された。
 四工事は国道17号のバイパス一帯などで、前橋市の田口、関根、日輪寺の各町と渋川市半田、吉岡町漆原にまたがる。一部で鉄鋼スラグが地表に露出している恐れがあり、国交省は撤去を検討する。
 二十二工事のうち、八ッ場(やんば)ダム(長野原町)の三工事では、撤去の際に直下の土壌を調べたが、いずれも環境基準以下だった。
 一方、県も鉄鋼スラグを使った五十八工事でスラグ自体を水に溶かして分析した結果、みなかみ町上津の県道で環境基準を超えるフッ素が検出された。ただ、鉄鋼スラグは地表に露出しておらず、直下の土壌も環境基準以下のため、撤去は予定していない。 (菅原洋)

—転載終わり—

 上記の記事にある群馬県の記者発表は、以下の群馬県公式サイトに掲載されています。
 http://www.pref.gunma.jp/houdou/h8100050.html