八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダム現場見学会の参加者によるビデオをアップ

 国交省八ッ場ダム工事事務所が8月から八ッ場ダム予定地の現場見学会を実施しています。
 http://www.ktr.mlit.go.jp/yanba/yanba_index032.html

 本体工事現場が見える展望台「やんば見放台」やダム湖予定地に架かる湖面橋などをガイドと工事事務所の職員がマイクロバスで案内するもので、1時間半ほどの行程です。ダム事業にとって都合の悪いことには触れませんが、国交省がどのように八ッ場ダムをPRしているのか知ることができます。

 このほど、見学会の参加者が動画をアップしましたので、お知らせします。

★吾妻川左岸の展望台「やんば見放台」より

 本体右岸作業ヤードの工事風景(吾妻渓谷右岸、川原湯地区) 
 吾妻渓谷を訪れる観光客が林の中を辿った遊歩道が造られていた山腹には、白糸の滝をはじめとする清冽な沢が流れていたが、樹木はすべて伐採され、本体工事の第一段階である基礎掘削のために岩盤を削っている。右岸作業ヤードと川原湯地区の打越代替地を結ぶ工事用道路の工事が進められているが、工事は予定より遅れており、右岸の作業ヤードに左岸から資材を運ぶために、ダム軸の位置にはられたワイヤーが稼働している。(~1分20秒あたり)
(1分30秒~) 川原畑地区に造られた左岸作業ヤード

★八ッ場ダム工事現場 水没予定地その1

 
 川原湯地区の打越代替地より、立ち入り禁止区域となっているダム本体工事現場方面へマイクロバスで下る。
(50秒~)対岸の本体左岸作業ヤードを車窓から望む。
 作業ヤードの下の吾妻渓谷の岩壁は、右岸と同様、樹木が伐採され、岩盤が削られている。昨年まではこの場所を吾妻川と並行して国道とJR吾妻線が走っていた。
 左岸作業ヤードの隣(左手)は、八ッ場沢の埋め立て地。(1分11秒~) マイクロバスが下る工事用道路がある場所も水没する予定。この工事用道路は八ッ場沢の対岸を流れる大栃沢を埋め立てた上に造られた。

(2分40秒過ぎ~)廃線となった旧国道(八ッ場大橋)とJR吾妻線の鉄橋が残されている。八ッ場大橋は吾妻渓谷の上流端に位置する。八ッ場ダムによって吾妻渓谷は上流側の四分の一が失われる。

(2分56秒)正面の坂道を下ると、滝見橋や吾妻渓谷の遊歩道に行くことができた。滝見橋からは吾妻渓谷十勝の一つ、白糸の滝を鑑賞できたが、滝見橋はすでにダムの工事で破壊されている。

(3分20秒~)三本目の湖面橋として建設された八ッ場大橋と川原湯温泉の看板。昨年9月までは、吾妻渓谷を走る列車の車窓から「なつかし あたらし 川原湯温泉」の看板が見えると、間もなく川原湯温泉駅に到着した。
 旧国道を大型の25トンダンプトラックが本体工事の掘削土砂を運搬しているという説明があったが、この時は本体工事の掘削土砂を運ぶ大型トラックは走っていなかった。
 *昨年11月、旧国道は本体工事の運搬専用に利用するという理由で廃線となり、現在は国交省の許可を得た車両しか利用できない。水没予定地の住民は許可証の支給を求めたが、拒否されたままである。国交省と群馬県の説明によれば、道路の拡幅工事が本体工事が始まるまでに行われる筈であったが、掘削土砂は川原湯地区に投棄されており、川原湯地区より上流側(川原畑地区と林地区)ではまだ廃線の拡幅工事は行われていない。

(5分50秒~)昨年9月まで川原湯温泉駅があったあたり(下湯原・しもゆばら)は、八ッ場ダムによって湖底に沈められるため、群馬県埋蔵文化財調査事業団によって下湯原遺跡の発掘調査が行われている。