利根川水系では6月16日より10%の取水制限を実施してきましたが、昨日8月24日、取水制限を一時的に緩和するとの記者発表を行い、取水制限を解除しました。台風シーズンに突入し、利根川上流ダム群の貯水量が増加しているためです。25日11時現在の利根川上流8ダムの貯水量は、国交省関東地方整備局のリアルタイム情報によれば2億1,352万立方メートルです。

 国土交通省関東地方整備局 記者発表資料
 http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/river_00000279.html

 以下のグラフは、同局サイトに掲載されている「利根川上流ダムの貯水量」です。今年の貯水量は赤いラインで示されています。取水制限の期間はラインが太くなっています。
http://www.ktr.mlit.go.jp/tonedamu/teikyo/realtime/data/html/Page2.html
キャプチャ
 
 グラフを見ると、取水制限を開始した6月時点で利根川上流ダム群の貯水量は過去最低となっていましたが、その後、貯水量があまり減らないまま、台風シーズンに突入したことがわかります。
 今年は利根川上流の降雪量が少なく、雪解け水を貯めることで貯水量を維持する最上流の矢木沢ダムは、5月の少雨と過剰放流も相俟って、取水制限開始時点では貯水量1,093万立方メートルに減少していました。しかし、今年は梅雨が長く(梅雨明け7月28日)、7月に入っても貯水量はあまり減りませんでした。8月に入ってからは、台風が続けて関東地方を襲うようになり、矢木沢ダムの25日11時現在の貯水量は5,422万立方メートルに回復しています。利根川上流8ダムの中には、例年より貯水量が多くなっているダムもあります。

 8月25日0時現在の利根川上流8ダムのデータは以下の通りです。
(単位:万㎥ 平均貯水量は8ダムとして管理を開始したH4からの平均値)
 キャプチャ貯水量

 関東地方整備局では昨日、渡良瀬川の取水制限も解除しています。渡良瀬川では6月11日より10%の取水制限を開始し、6月25日~7月20日の期間は取水制限を20%に引き上げていました。

 国土交通省関東地方整備局 記者発表資料
 http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/watarase_00000113.html

 ☆利根川の渇水報道については、以下の解説をご参照ください。
 http://yamba-net.org/?p=15963
 「渇水報道」の真相ーつくられた渇水 ~利根川水系ダム貯水量急減の原因「ダムの過剰放流」(2016年)

 「取水制限解除」の記者発表を伝える記事を転載します。

◆2016年8月24日 上毛新聞 (ネット記事は紙面記事の冒頭部分です。)
 http://this.kiji.is/140924476434874371
 ー取水制限一時解除へ 利根川・渡良瀬川 台風で貯水量回復ー

 群馬県など流域6都県などでつくる利根川水系渇水対策連絡協議会は24日、利根川で実施している取水制限(10%)を一時的に取りやめる。連絡協関係者への取材で23日、分かった。

 台風9号による降雨などの影響で、利根川上流8ダム(矢木沢、奈良俣、藤原、相俣、薗原、下久保、草木、渡良瀬貯水池)の貯水量や河川の流量が回復しているため。

 利根川水系の渡良瀬川の取水制限も同様の措置とする。今年は暖冬で積雪が少なかったことなどが影響して、8ダムの貯水量は6月から7月にかけて過去最低水準で推移した。利根川では6月16日に10%の取水制限を開始。一時は20%の取水制限をする1億5千万立方メートルに迫った。
 その後は断続的に降雨があり、貯水量が徐々に回復。25日午後5時現在の8ダムの貯水量は平年の77%の2億639万立方メートルとなっている。

 ただ、9月までは水の需要期に当たるとして、今後の降雨次第では再び取水制限する可能性があるとみられる。

◆2016年8月24日 NHK
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160824/k10010652711000.html
ー首都圏に水供給の利根川水系 取水制限を解除ー

 22日の台風9号の大雨で、首都圏に水を供給している利根川の水量が増えていることなどから、関東地方整備局は、ことし6月から行っていた10%の取水制限を24日、一時的に解除しました。
 関東の1都5県に水を供給している利根川水系では、群馬県などにある8つのダムの貯水量が平年の4割余りにとどまっていたことから、6月から10%の取水制限が行われていました。
 しかし、関東地方整備局によりますと、22日の台風9号の大雨の影響で、利根川の水量が通常の10倍程度に増えたうえ、8つのダムの貯水量の合計も平年の8割程度にまで回復してきたということです。このため、24日午前9時から取水制限を一時的に解除したということです。
 ただ、ダムの中には依然、貯水率が50%に満たないものもあり、今後、まとまった雨が降らずに、再びダムから利根川に水を供給する必要が出てきた場合は、取水制限を再開する可能性もあるとしています。
 関東地方整備局では「取水制限は一時的に解除したが、引き続き節水を心がけてほしい」としています。

◆2016年8月24日 毎日新聞社会面
 http://mainichi.jp/articles/20160824/k00/00e/040/260000c
ー利根川水系ダム 取水制限を緩和ー

 関東6都県(東京、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉)の「水がめ」となっている利根川水系8ダムの貯水量が改善されたとして、国土交通省関東地方整備局や6都県などでつくる渇水対策連絡協議会は24日午前9時、利根川水系で行っていた10%の取水制限をとりやめた。台風9号による降雨により貯水量が増えたためで、6月16日以来約2カ月ぶり。

 同局によると、冬の雪不足などが原因で8ダムの貯水量が6月16日に1億7430万立方メートルにまで低下。3年ぶりに利根川水系で取水制限を行ったが、台風9号による雨で8ダムの貯水量は計2億817万立方メートル(24日午前0時現在)にまで回復した。ただ、最も容量の大きな矢木沢ダム付近では24時間の雨量が40ミリ程度にとどまったといい、一時的な緩和措置にとどめるという。【曽田拓】

◆2016年8月24日 読売新聞社会面
 http://www.yomiuri.co.jp/national/20160824-OYT1T50122.html
ー利根川水系の取水制限一時解除…台風の大雨でー

 国土交通省関東地方整備局と6都県などでつくる利根川水系渇水対策連絡協議会は24日、台風9号による大雨で利根川の流量が回復したとして、渇水のため6月16日から実施していた同水系の10%取水制限を一時的に解除した。

 同地方整備局によると、同水系にある8ダムの貯水量は、7月14日に1億6895万立方メートル(貯水率49%)まで落ち込んだが、8月24日午前0時現在、2億817万立方メートル(同61%)に回復した。それでも、貯水量は平年に比べて78%と少なく、川の流量が減った場合は取水制限を再開するという。

 同地方整備局は「貯水量はまだ十分ではない。引き続き節水に協力をお願いしたい」と呼びかけている。