地元紙・上毛新聞の紙面に、以下のネット記事と同じ写真とタイトルの記事が8月20日付で見開きで大きく掲載されているのですが、記事本文の内容は違っています。

◆2017年8月20日 上毛新聞サイトより
http://www.jomo-news.co.jp/ns/8615031607776723/news.html
ー《ニュース最前線》八ツ場ダム 核に活性化 長野原町 ー

 長期にわたる反対闘争や政権交代による方針転換を経て、計画浮上から65年が経過した群馬県の八ツ場ダム建設が大詰めを迎える。昨年6月に始まった本体のコンクリート打設工事は7月末段階で打設高が3割となり、放水ゲートの「常用洪水吐」を本体に取り付ける作業が近く行われる見通しだ。

◎学生が現場案内 市民農園で交流
 完成後のダムを地域のにぎわいにつなげようとする動きも活発になってきた。地元の長野原町は相互協力包括協定を結ぶ跡見学園女子大(東京都)と連携した活性化プロジェクトを始動させた。地域の観光素材をテーマに、女子大学生が山あいのダム建設地にどのような刺激とアイデアをもたらすのか注目される。

 水没5地区は地域振興施設を核に活性化を進める。2019年度のダム完成を控え、まちづくりは待ったなしの状況だ。

—転載終わり—

キャプチャ
 上記の記事に添えられている右の写真は、跡見女子大と長野原町が連携して発足させた「長野原町に新しい芽を出そうプロジェクト」の一環として、7月16日、国交省の本体工事のガイドを女子大生が体験した際に撮影されたもので、7月に群馬版各紙にも掲載されています。
 紙面記事の本文では、女子大生3名の名前とコメントを紹介し、8月に現地での合宿が行われ、秋には学生らによる地域振興プランがまとまる予定であること、跡見女子大の取り組みに対して、川原湯温泉協会長の樋田省三さん、丸木屋旅館と山木館の後継者が好意的に受け止めており、次のように語ったと伝えています。

・樋田省三さん(52歳・川原湯温泉協会長):「女子大学生の目線はこれまでの川原湯の観光振興になかったので楽しみ。若手の旅館経営者と話し合い、中長期的に取り組めるのもにしたい」
・樋田泰彦さん(30歳・丸木屋旅館):「学生がまとめてくれた概要はしっかりしていた。地元の意見も加えたい」
・樋田勇人さん(23歳・山木館):「川原湯を一つにまとめるいい機会。旅館の魅力を前面に出したい」

 また、八ッ場ダム三事業の一つ、利根川下流都県による基金事業で水没五地区につくられつつある地域振興施設も取り上げられており、林地区の地域振興施設「道の駅八ッ場ふるさと館」は草津温泉への中継地点として利用され、昨年度の利用者は40万人、売り上げは4億円に迫ったとしています。

二社平 紙面記事の中で注目されるのは、最後に掲載されている以下の「記者の視点」で取り上げられている水没五地区連合対策委員長、野口貞夫さんの言葉です。
 八ッ場ダム事業では膨大な生活再建事業に巨費が投じられてきましたが、本体工事が進められている今も、野口委員長は「生活再建はまだだと思う」と語っています。
 ダム事業によって破壊された生活をダム事業によって取り戻そうと、ダム予定地住民の代表組織である「水没五地区連合対策委員会」は行政に協力してきたのですが、人口の激減、高齢化などにより、地域の衰退は進んでおり、代替地の住民は不安を抱えたままです。

 野口委員長が住んでおられる川原畑地区の代替地には、八ッ場ダム本体工事の左岸作業ヤードがあり、代替地を走る付替え国道の法面では地すべり対策工事が行われています。川原畑地区では、ダム事業の進行に伴い、住民が90世帯から23世帯に減少してしまいました。
(写真右上=岩山が見える二社平の地すべり地は、ダム湛水前に安全対策工事を行うことになっている。地すべり地の背後に川原畑地区の水没住民の移転代替地がある。)

◆2017年8月20日 上毛新聞 紙面記事より
ー記者の視点 真の生活再建を 新井正人ー

 「住宅建設は進んだが、この地でずっと暮らしていけるという意味での生活再建はまだだと思う」。取材した水没関係5地区連合対策委員長の野口さんの言葉が印象に残る。
 昨年3月、10年ぶりに中之条支局に赴任した。前回の勤務では、代替地移転のための分譲帰順交渉が妥結し、協定書の調印式を取材した。代替地は真新しい家屋が並び、生活再建の進展を感じていただけに委員長の言葉に驚きを感じた。
 
 水没地区の代替地では92世帯が新たな生活をスタートした。ダムが完成するとダム湖を拠点に観光誘客が本格化する。林地区の道の駅八ッ場ふるさと館、長野原地区の長野原・草津・六合ステーションなど地域振興施設に加え、長野原町と跡見学園女子大によるプロジェクトも動き出した。地元住民の活性化に向けた取り組みを見守っていきたい。