「八ッ場ダムをストップさせる茨城の会」による集会の記事を転載します。
◆2015年12月1日 毎日新聞茨城版
http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20151201ddlk08040134000c.html
ー八ッ場ダム建設:公金支出差し止め訴訟 「教訓生かし闘う」弁護士が講演ー
八ッ場ダム(群馬県長野原町)建設への茨城県の負担金支出差し止めを求める「八ッ場ダムをストップさせる茨城の会」が29日、取手市で総会と講演会を開いた。住民訴訟は9月に上告棄却となったが、水行政の勉強会などを拡大し、活動を続ける方針を確認した。
同訴訟の原告団は2004年11月に「将来の水需要は減少し、新たな水源の必要性はない。洪水調節の効用も極めて乏しい」と水戸地裁に提訴。同会が支えた。ダム流域の他の原告団と連携し、茨城を含む1都5県の原告団は最高裁まで争ったが、全て敗訴した。
八ッ場ダム訴訟統一弁護団副団長の大川隆司弁護士は「八ッ場ダム上告棄却と憲法」と題して講演。「国が地方自治体に出したダム負担金の納付通知が無効でない限りは、従わなければならないというのが裁判所の判断だ」と解説。そのうえで「憲法92条の『地方自治の本旨』への裁判所の無理解がある」と批判した。一方、「住民訴訟を契機にダム問題が世間に知られた。教訓を生かし、闘いを継続する意義は減少しない」とも述べた。
61人が出席。提訴から11年間の取り組みを振り返った。最後に浜田篤信共同代表が「裁判には負けたが、あきらめずに水問題に取り組み、地方自治、立憲主義を茨城から作っていきたい」と締めくくった。【安味伸一】