八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

平成28年度のダム事業の予算

 12月24日、政府が来年度の予算案を発表したのに伴い、国土交通省はホームページに八ッ場ダムを含む直轄ダム・水資源機構ダム、35事業の来年度の予算案を掲載しました。
 八ッ場ダムの来年度の予算は222億3,200万円です。例年通り、国交省の概算要求に満額回答でした。

 国土交通省ホームページより
 〇平成28年度 水管理・国土保全局の予算
 http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/yosan/gaiyou/yosan/h28.html

 〇国土交通省所管ダム事業一覧【直轄・水資源機構】
 http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/yosan/gaiyou/yosan/h28/h28damyosan.pdf

 〇平成28年度 水管理・国土保全局関係予算決定概要
 http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/yosan/gaiyou/yosan/h28/h28yosan.pdf

キャプチャ ダム事業の見直しを掲げた民主党政権が発足した2009(平成21)年以降、全国のダム事業の検証作業が行われてきました。しかし、その間も八ッ場ダムをはじめとして殆どのダム事業の予算は途切れることがなく、来年度も多額の事業費がつけられようとしています。
 右の表あるいは以下の文字列をクリックすると、2009年当時の各事業の進捗率と当時の事業段階、それぞれのダムの総貯水容量、その後の各年度の事業費をまとめた表をご覧になれます。八ッ場ダムの事業費は平成21年度の225億円からおおよそ154億、152億円、116億円、97億円、99億円、119億円と推移してきており、来年度の222億円は平成21年度予算に匹敵する額です。(表作成:嶋津暉之)

 直轄ダム・水資源機構ダム (平成21年度に計画中・事業中であったダムの状況 )(平成27年12月現在)

 八ッ場ダムの来年度の予算について報じた地元紙の記事を転載します。

◆2015年12月25日 上毛新聞一面より (ネット記事は紙面記事の冒頭部分です。)
 http://www.jomo-news.co.jp/ns/3414509720988282/news.html
 ー八ツ場ダムは222億円 16年度政府予算案 ー

 政府は2016年度予算案に、八ツ場ダム(長野原町)の本体工事や代替地整備など生活再建事業の費用として222億3200万円を盛り込んだ。15年度当初予算(119億2500万円)比で86.4%増と2倍近い。

 来年6月に堤体のコンクリート打設が始まり、本体工事が本格化するためで、国土交通省が今夏示した概算要求に満額回答した形だ。

 本体工事は1月に基礎掘削が始まり、11月中旬時点で搬出予定おの岩盤計60万立方メートルの半分を掘り終えた。国交省八ッ場ダム工事事務所は「工事は順調で、計画通り来年6月にはコンクリート打設に入る」と説明している。18年5月には堤体が姿を現し、試験湛水などを経て、ダムは19年度中に完成する予定。

 八ッ場ダムをめぐる16年度予算案について、県特定ダム対策課は「事業完成に向け必要な予算が計上されたと考えている。国には今後も工期を最大限短縮することなどを求めていく」とコメントした。長野原町の萩原睦男町長は「本体工事が着々と進められていることが推察できる。生活再建事業にも引き続き力を入れてほしい」と話した。

—転載終わり—

吾妻渓谷の上流端にある八ッ場ダム本体工事左岸作業ヤード 骨材を貯蔵する施設やコンクリート製造機が設置されている。(12/22撮影)
左岸作業ヤード

 水没予定地の川原湯温泉駅の跡地周辺では、下湯原遺跡の大規模な発掘調査が実施されてきたが、調査期間の終了に伴い、遺跡の土壌が大量に搬出された。(12/22撮影)
旧川原湯温泉駅跡地