2月9日、国交省関東地方整備局は霞ケ浦河川整備計画の策定と利根川・江戸川河川整備計画の変更を発表しました。
★国交省関東地方整備局のホームページより
「利根川水系霞ヶ浦河川整備計画【大臣管理区間】」の策定について
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/river_00000233.html
「利根川水系利根川・江戸川河川整備計画【大臣管理区間】」の変更について
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000640561.pdf
これらの河川整備計画の策定および変更の主たる目的は、霞ケ浦導水事業を河川整備計画に位置づけることにあります。1月29日に策定された那珂川水系河川整備計画と合わせて、霞ケ浦導水事業が関係する利根川、霞ケ浦、那珂川のそれぞれで同事業の位置づけがされたことになります。
「那珂川水系河川整備計画【大臣管理区間】」の策定について
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000293.html
このように、国交省関東地方整備局は霞ケ浦導水事業の位置づけを完了させましたが、国交省は反対の多い霞ケ浦導水事業を今後、どのように進めようとするのでしょうか。
霞ケ浦導水事業に対しては、那珂川や利根川等の生態系、漁業に大きなダメージを与えることから、那珂川水系の全漁協が絶対反対の姿勢を示し、工事差し止め訴訟を闘っています。昨年7月の水戸地裁判決では敗訴しましたが、漁連・漁協五団体は東京高裁に控訴しています。
水戸地裁の判決文の終わりには、
「導水事業は運用次第では漁業権を侵害する具体的危険の可能性がある」
という文言が加えられており、国交省もそれを無視することはできないでしょう。
さらに、国交省が那珂川の導水・取水口付近の工事再開を強行すれば、漁協は実力行使で阻止するでしょうから、まだまだ闘いは続きます。
霞ケ浦導水事業の来年度予算は12.5億円です。国交省も当面は様子を見るというところではないかと思います。