さる5月25日、国土交通大臣は愛知県知事に設楽ダム建設基本計画の変更案について意見照会を行ったとのことです。
基本計画の変更内容は、事業費を2070億円から2400億円に増額し、工期を2020年度から2026年度に延長するものです。
(画像:もとむら伸子衆院議員ホームページより)
しかし、設楽ダムに関してはダム検証が2014年4月に終わり、その検証で事業費の点検が行われています。その検証報告の事業費点検では、2070億円が2094億円になるというもので、24億円の増額でした。24億円の増額であったものが、2年後に330億円の増額に変わっているのです。
設楽ダムの事業者である国交省中部地方整備局の河川計画課の設楽ダム担当者(馬淵氏)に聞いてみたところ、その後の2年間の物価変動、消費税アップ等により、330億円の増額になったという答えでした。消費税のアップは50億円程度ということですから、大半は2014年4月からの2年間の物価変動によることになります。この2年間でそのような物価変動があったのでしょうか。この2年間の物価変動で約200億円の増額ならば、他の計画中・建設中のダム事業も事業費のそれなりの増額が避けられないことになります。
あるいは設楽ダムの検証時の事業費点検がいい加減であったのでしょうか。
八ッ場ダム事業では、民主党政権下の八ッ場ダムの検証で新たな地すべり対策と代替地の安全対策に150億円の増額が必要との試算が公表され、その他にも東京電力への減電補償など多くの増額要因があるにもかかわらず、2013年の計画変更(工期4年延長)では、事業費増額はないとされました。設楽ダムが物価変動と消費税アップ等によって事業費が330億円増額されるなら、八ッ場ダムは一体どれだけ増額されるのでしょうか。
☆参考
・もとむら伸子衆議院議員のホームページより
「設楽ダムの本体と付替え道路の事業費増額問題で国交省から聞き取り。」2016年6月17日
・2016年6月11日 高木仁三郎基金の報告会で「設楽ダムの建設中止を求める会」代表の市野和夫さんが成果報告した内容のまとめ
「国の地質調査は不合格! 設楽ダム本体建設の中止を求める!」