山形県が国の補助金で建設する最上小国川ダムの本体工事現場でコンクリート打設の式典が行われたとのニュースが流れています。
八ッ場ダムの本体工事現場ではまだ式典が行われていませんが、ダム堤のコンクリート打設が開始される際には、政治家や地元住民を招待して盛大に行われるのでしょうか。
◆2016年10月11日 さくらんぼテレビ
ー最上小国川ダムの本体工事が本格化
http://www.sakuranbo.co.jp/news/2016/10/11/post-1153.html
最上町に建設される最上小国川ダムの安全祈願祭が行われた。建設の是非で町が二分したダムは、ようやく工事が本格化することになった。
式典には工事関係者など約60人が出席し、神事で工事の安全を祈願したあと、本体部分に重機でコンクリートが流し込まれ、工事の開始を祝った。
最上小国川ダムは県が総工費約70億円をかけて建設するもので、下の方に穴を設けて穴から出る水量しか流さない、東北では初めての流水型の「穴あきダム」となる。
このダムの建設を巡っては、洪水対策として賛成する町民と、アユで有名な清流を守るべきだとする反対派が町を二分してきたが、反対してきた漁協が建設を容認したことから、町が要望してから29年目にしてようやく本格着工となった。
小国川漁業組合の髙橋光明組合長は「どんな雨が降っても耐えられる様な赤倉に被害が及ばない頑丈なダムを作ってほしい」、赤倉温泉町内会の柴田真利会長は「ダムが出来たおかげで水害が無くなる事を(期待したい)」と語った。このダムは2018年度の完成を目指している。
~~~転載終わり~~~
ダム建設を巡っては、清流を守りたいという人々と、ダムによる利権を望む人々との間で激しい対立があり、ダム建設に反対してきた漁業組合長が推進派の圧力により自死するという痛ましい事件もありました。
ダム建設の目的は「洪水調節」ですが、河床掘削を中心とする河川改修の方がはるかに安価で治水効果が高いと、反対運動の人々は訴えてきました。山形県が必要な河川改修を行わず、河床を掘削すれば赤倉温泉の湧出に悪影響を及ぼすと、調査結果を捻じ曲げていたことも、関係者の証言で明らかになっています。
山形県は反対運動をかわすために、最近多い流水型ダムを建設します。流水型ダムはダム堤に穴をあけ、洪水調節が必要な時以外は川の水が流れるようにするダムですが、環境への悪影響は避けることができず、穴に流木などが詰まった時の危険性も指摘されています。
最上小国川ダムの問題を解説したスライドが水源開発問題全国連絡会のホームページに掲載されています。
http://suigenren.jp/wp-content/uploads/2014/05/e3be6edc21aac485ce6ddd67cc003516.pdf
「最上小国川ダムは必要か」