八ッ場ダムの住民訴訟を担ってきた関係都県の八ッ場ダムをストップさせる会。茨城県では、裁判が終了した今年も活動を継続し、茨城県が負担金を支出している八ッ場ダムの問題を広く県民に訴えています。
地元の常陽新聞が同会が11月に開催した総会記念集会に際し、八ッ場ダムと茨城県の水道問題を伝える詳しい記事とともに、事務局長の神原さんを取り上げています。
◆2016年11月25日 常陽新聞
https://yamba-net.org/wp/?p=18899
「水道料や治水課題に 八ツ場ダム住民訴訟茨城の会が26日総会」(常陽新聞)
◆2016年11月26日 常陽新聞
八ッ場ダムへの公金支出差し止めを求めた住民訴訟を11年間闘った市民団体「八ッ場ダムをストップさせる茨城の会」の事務局長を務める。編集委員の一人として今年9月、関東1都5県の住民訴訟のポイントをまとめた報告書「八ッ場ダム・思川開発・湯西川ダム裁判報告 ~6都県住民11年のたたかい」(八ッ場ダム住民訴訟弁護団、八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会)を発行した。
「裁判中、地理的にも心理的にも遠い八ッ場ダムを、県民に身近に感じてもらいたい」と、月一回、支援者向けに「八ッ場ダム住民訴訟通信」を発行し、裁判を支えた。
さらに学習会や裁判報告会、現地ツアーなども重ね、県内のさまざまな市民団体を結び、運動の幅を広げる立役者となった。
裁判は住民側の主張や立証が圧倒したが、結果は敗訴。「無力感を痛切に感じた」と吐露する。
「憲法12条に『自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない』とある。民主主義は、ずっと考え続けるスタミナを国民に求め続けているけど、考え続けるのはしんどい。しんどいから考えるのをやめると、一気にたががはずれてしまう」と、裁判が残したものを振り返る。
「裁判は終わったが運動は終わっていない」として、今後は「住民一人ひとりの問題であると問い掛け、住民の声で水行政を変える住民自治の実践の場にしたい」という。取手市在住。(鈴木宏子)