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移転対象の契約完了 足羽川ダム、池田・68戸の用地売買

 福井県で進められている国の直轄ダム「足羽川ダム」の用地売買の契約が完了したという報道がありました。
 「足羽川ダム」という名になっているものの、旧・美山町に計画されていた当初計画の「足羽川ダム」でありません。

 美山町ダム反対期成同盟会等の反対運動により、当初の計画は中止になり、ダムサイトを上流の池田町に移す計画に変わりました。部子川ダム案と言われていたもので、複数の支川の洪水をトンネルで導水して、洪水を貯留するというおかしなダム計画です。ダムを何としてもつくりたい利権集団によって、こうしたダム事業が進められています。

◆2017年3月2日 中日新聞福井版
 http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20170302/CK2017030202000029.html
ー移転対象の契約完了 足羽川ダム、池田・68戸の用地売買ー

 国が池田町で進めている足羽川ダム建設事業について、移転対象の町内六十八戸全てが用地売買契約を終えたことが、国土交通省足羽川ダム工事事務所への取材で分かった。開始から丸四年で課題の一つをクリアし、二〇二六年度の完成を目指す。

 同事務所によると、ダム建設に伴う移転対象は上小畑、下小畑、千代谷、金見谷、大本の五地区。国と地元住民は一三年三月、補償基準に関する協定に調印した。町内での二戸と福井市内へ六戸の集団移転を含め、丸四年かけて用地売買の契約が進められ、今年二月二十二日で完了した。

 住民の移転先は県内外にわたる。移転の動きは環境が整ったところから順次、始まっている。小林正治副所長は「住む所を変えてもらうため、一番気になるところだった」と説明。住民の協力に感謝し「事業は順調」と話す。

 一方、ダムの事業用地は百五十ヘクタール。移転対象のほか、地域外に住む土地所有者も多数いる。二月末現在の取得率は九割以上に達しているが、相続の複雑さなどから完了までには数年かかる見通し。

 事業は一四年度に着工し、付け替え道路の工事などが進む。一七年度は政府予算案に五十二億円が計上され、ダム本体工事(一九年度開始予定)のため、一時的に川の流れを変える「転流工」の工事に着手する。

 ダムの総事業費は九百六十億円で、事業費ベースの進捗(しんちょく)率は三月末で36%に達する見込みとなっている。(山本洋児)