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浅川ダム住民訴訟、高裁も住民側の請求退ける

 長野県が試験湛水中の浅川ダムの公金支出差し止めの住民訴訟について、東京高裁の判決がありました。今回も残念ながら住民側の敗訴でした。司法はダム事業に関して、行政側の主張を追認することに決めているかのようです。

★浅川ダム事業についての長野県の公式ホームページ
 http://www.pref.nagano.lg.jp/asakawa/index.html

◆2017年3月3日 信濃毎日新聞
 http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20170303/KT170302FTI090017000.php

ー浅川ダム住民訴訟、高裁も請求退けるー

 県営浅川ダム(長野市)建設は無駄な公金支出を禁じた地方財政法に違反するなどとし、流域住民ら約220人が県に公金支出差し止めなどを求めた住民訴訟の控訴審で、東京高裁(阿部潤裁判長)は2日、ダム建設についての県の判断に「特段不合理な点はない」などとして控訴を棄却した。2015年の一審長野地裁に続き、住民側の請求を退けた。

 住民側はダム建設の根拠となる大洪水時の河川の最大流量「基本高水(たかみず)」の設定が過大で、ダム直下の断層も建設に適さない活断層だ―などと主張していた。

 判決は、県の基本高水の算出は法にのっとっており、「(住民側の)ダム建設の必要性がない旨の主張は採用できない」と指摘。ダム直下の断層について、調査や検討を踏まえて活断層ではないとした県の判断は「合理性を欠くとは言えない」とした。

 判決後、原告団の花岡邦明代表は「一審判決の矛盾を高裁段階で再検討してほしいと訴えたが、ほとんど検証されず極めて残念」と述べ、判決を分析して今後の対応を決めるとした。県は「建設が適法との主張が認められたと考える。今後も適正に事業を進めていく」とコメントした。

◆2017年3月2日 西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/311780 
ー長野ダム訴訟、再び住民敗訴 東京高裁「違法性ない」ー

 長野県営浅川ダム(長野市)の建設に反対する県民222人が、工事に使われる公金の支出差し止めなどを県に求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は2日、訴えを退けた一審長野地裁判決を支持し、住民敗訴の判決を言い渡した。

 判決理由で阿部潤裁判長は「計画は長年の懸案だった治水が目的で、住民説明会や学識経験者、関係自治体への意見聴取を踏まえて策定されており違法はない」と指摘した。

 住民は「建設地は活断層の上で、周辺は地滑りの危険があるうえ、費用対効果がない」と主張したが、判決は「県は国の指針に沿って調査、検討しており計画には合理性がある」と退けた。

◆2017年3月2日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20170303/k00/00m/040/028000c  
ー浅川ダム訴訟  2審も住民側敗訴「手続きに違法はない」ー

 長野県が建設中の浅川ダム(長野市)を巡り、周辺住民222人が建設費約120億円を阿部守一知事らに返還請求するよう県に求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は2日、請求を棄却した1審・長野地裁判決(2015年4月)を支持し住民側の控訴を退けた。

 阿部潤裁判長は「計画は住民や学識者の意見を踏まえており、手続きに違法はない」と指摘。治水効果の計算が合理性を欠くとは言えず、地滑りの危険性があるとも言えないとして、建設費支出は妥当と結論付けた。

 浅川ダムは長野県が1995年に国から建設認可を受けたが、01年の田中康夫知事(当時)の「脱ダム」宣言を受けて建設が中断。知事交代後の07年に建設再開が決まった。試験運用が終わり、県は今月中旬にも本格運用を始める方針。【伊藤直孝】

◆2017年3月2日 NHK (リンク切れ)
 http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/1013893411.html?t=1488489474900
ー浅川ダム訴訟2審も訴え退けるー

 長野市にある浅川ダムをめぐり、地元の住民などが、ダムの真下に活断層があるなどとして、長野県にダムの建設にかかわる公金の支出の差し止めなどを求めた裁判で、2審の東京高等裁判所は1審に続いて訴えを退けました。

 この裁判は、長野市の浅川上流にある浅川ダムについて、地元の住民などが、想定されている洪水の規模が大きすぎ、ダム建設の必要性がないうえ、ダムの真下に活断層があり、地すべりの危険もあるなどとして、長野県にダムの建設にかかわる公金の支出の差し止めなどを求めているものです。
1審の長野地方裁判所はおととし4月、原告側の訴えを全面的に退ける判決を言い渡し、原告側が控訴していました。

 2日の2審の判決で、東京高等裁判所の阿部潤裁判長は「想定されている洪水の規模は国の基準に照らして合理性を欠くものとはいえず、地すべり対策も国が監修するマニュアルに沿うものだ」と指摘しました。

 そのうえで「公金支出は違法なものではない」として、1審に続いて訴えを退けました。

 県によりますと、浅川ダムでは試験的に水をためてダムの強度などを確認する「試験たん水」が行われており、試験結果を取りまとめたあと、今月中旬にも本格的な運用が始まる見通しです。

 判決について、長野県の阿部知事は「浅川ダムの建設が適法であるという県の主張が認められたものと考えている。県としては丁寧にダムの安全性を確認して取り組みを進めていて、今後も適正に事業を進めていく」というコメントを出しました。

 判決を受けて、原告団の花岡邦明代表は「私たちが訴えてきたことを裁判所は全く検討しておらず、承服しがたい。今後の対応についてはこれから検討したい」と話しています。